世界を股にかけるおしどり夫婦 ジンバブエの心優しきチャンピオン、愛の物語 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
リーダーボード
Pos 選手名 Sco 1 S・ビンセント -17 2 石川遼 -16 3 貞方章男 -15 4 大槻智春 -12 金谷拓実 -12 矢野東 -12 7 石坂友宏 -11 今平周吾 -11 堀川未来夢 -11 10 今野大喜 -10 順位の続きを見る
スコット・ビンセントがワイフと抱き合って喜んだ(撮影:岩本芳弘)
<Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日◇29日◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)◇7210ヤード・パー72>
「妻はボクの精神状態のアップダウンをそばで見てるから、一緒にやってくれないんだ」。いくら勧めても、一向にゴルフを始めてくれない妻。ぽつりと寂しそうにつぶやいたチャンピオンだが、人前で穏やかさが崩れたことはめったにない。
「コンニチハ!」と覚え始めた日本語で会見場に入ってきた、ジンバブエのスコット・ビンセント。日本にやってきたのは2018年。同年のQTで11位に入って翌年から日本ツアーに参戦すると、すぐさまAbemaTVツアーで1勝。それがここ、芥屋GCだった。
「相性はいいと思ったけど、いいゴルフをしないとこの場には来られない」と警戒していた芥屋で、抜群のショット力を生かして完全優勝。後続の石川遼らが1打差に迫る中、18番パー5ではティショットをOBギリギリに打ち込むトラブルに見舞われた。さすがに表情がこわばるが、グリーンエッジからの4打目で1メートル弱に寄せてパーセーブ。「1メートルより、もっとずっと長く感じた」と、ウィニングパットを沈めてこれ以上ない笑顔が飛び出した。
レギュラーツアー初優勝を抱き合って喜んだのは、キャディを務める妻のケルシーさん。出会いは大学時代。「彼女はプロのサッカー選手で、試合を見に行ったらすごくキレイな人がプレーしてるなと思った」と、学生時代の一目惚れの相手が、今は妻として横で支えてくれている。アイスランドで1シーズンプロとしてプレーした経験もあるケルシーさんだが、キャディを頼んだら「もともと興味があったみたい」と二つ返事でOK。結婚した翌週からツアー転戦に帯同し、今年はジンバブエ代表として一緒に東京五輪の舞台も踏んだ。
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