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世界のレフティの鼻っ柱が折れた 不調の“鬼”に屈した一騎打ち【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

イケイケのレフティも…青木の意地に屈した

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

第11回は1982年日本プロゴルフ・マッチプレー選手権。怖いものなしだった新鋭、羽川豊が、前年覇者、青木功の勝負師ぶりを思い知らされたのは、決勝戦だった。

青木功のインパクト直前の形はまるでダスティン・ジョンソン!?【連続写真】

絶好調の若者の鼻っ柱を、百戦錬磨のつわものがへし折った。1982年5月。美しい新緑の季節に、どっしりと根を張った古木が存在感を示したと言い換えてもいいかも知れない。

順風満帆。怖いものなしのプロ3年目。25歳だった当時の羽川は、まさに勢いに乗っていた。前年、日本オープン、日本シリーズを制して賞金ランキング8位となり、4月にはマスターズ初出場を果たしたばかり。オーガスタナショナルでも15位に入る戦いぶりで“世界のレフティ”との呼び声も高くなっていた。それから約1か月。さらに弾みがついた状態で、戸塚カントリークラブを舞台にした日本プロゴルフ・マッチプレー選手権に臨んだ。

1回戦で前前年優勝者の安田春雄を19ホール目で撃破。2回戦では杉原輝雄に2ダウンと押されながら、後半に逆転して勝利している。3回戦でも中村通に逆転勝ちを収め、準決勝では“リトル・コーノ”こと河野高明をやはり逆転で退けた。猛者を次々に倒し、羽川は決勝に進んだ。

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