出産後もプレーするのが自然な女子ツアーに【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】(No.156710) | ツアーニュース | ツアー情報 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net|GOLF情報
若林舞衣子は産休明け2戦目で優勝争いを演じた(撮影:米山聡明)
横峯さくらが第一子妊娠を発表した。現在、5カ月の安定期。来年2月には出産予定だという。喜びの報告とともに「アメリカツアーで活動していた際にプロゴルファーと子育ての両立をしている他国のプロを見て来たことがきっかけで、私も憧れを持っていました」とコメントしている。
妊娠しても試合に出場し、出産後も子供を連れて転戦するのは、米ツアーでは珍しいことではない。それができるのは、毎試合、プレー中に子供を預けられる“チャイルドケア”というシステムが確立しているから。25年も前からのことで、しっかりとスポンサーもついている。
米ツアーでプレーしたことがある日本の女子プロたちは、これに驚く。妊娠、出産を考えているプロの多くは、日本でもその仕組みがあればいいと、口にする。だが、出産後、理事になった木村敏美が動いたものの、ツアーとしてその仕組みができる様子は一向に見えてこない。一般企業でも福利厚生の一環として企業内保育園をつくるところが出てきている。女子の団体である日本の女子ツアーにその動きがないことは、不思議でならない。
幸せの物さしは人それぞれ。節目、節目に自分で決断し、人生のレールを敷いて行くのは当然のことだ。女性だからといって、妊娠、出産をすることを望む者ばかりでは決してない。異性であれ、同性であれ、パートナーと2人で歩む人生に幸せを見いだす人もいれば、ひとり自由に暮らすことこそ、自分らしいと思う人もいる。子供を産み、育てる場合でも、それにすべてを注ぐ女性がいれば、仕事をしながらそうする人もいる。当たり前の話だ。妊娠、出産という女性だけにしかできないことをするかどうか決めるのは、あくまでも自分。パートナーと相談するのは当然としても、それ以外の人間や、環境に左右されるものではない。
もちろん、アスリートの場合、しばらくのあいだブランクができてしまうことや、肉体的な変化というハンデを負うことを第一に考えるのは当然だ。しかし、それでも妊娠、出産を選び、カムバックしようとしたときに、それができる環境がないのでは、成熟した組織とはいえない。この部分を考えただけでも、日本の女子ツアーは米国に四半世紀も遅れを取っている。
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