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デシャンボーの“ヒール肉盛”ウェッジが、ジョージスピリッツと被る件【記者の目】

デシャンボーが新ウェッジ!ジョージスピリッツの初代『GTSW』とかなり被ります…(撮影:GettyImages)

「ジェネシスオープン」から、ブライソン・デシャンボーがコブラの新プロトタイプウェッジを投入していた。さすが科学者のこと、今回も奇抜なデザインとなっており、バックフェースのヒール側に激しく肉盛りがされていた。

ソールに平らな部分はほどんどなく、トレーリングエッジが滑らかにバックフェースに向けて丸く落とされている。この形状、どこかで見た記憶があるなぁ…と思い出した。ジョージスピリッツの『GTSW』が出てきた頃のヒール肉盛り度とソール形状にそっくりだ。

初代『GTSW』を初めて打った筆者は、あまりの抜けに驚いた記憶がある。と、同時に抜け過ぎてショートが多発した記憶も…。当時は、トレーリングエッジの機能と必要性を改めて感じたし、その後、開発者のジョージ武井氏もトレーリングエッジのはっきりした後継作を出していた記憶がある。

話を元に戻して、ヒール肉盛にはいったい何のメリットがあるのだろうか? ネック側に近づけられた重量は、重心距離の短さを意味する。元祖・ヒール肉盛ウェッジを手がけた武井氏は「ヒール肉盛りには、トゥーダウンしにくいメリットがある」と語る。現在手がけるブランド、GTD『GanGa』ウェッジも“ぷちヒール肉盛り”となっているが、トレーリングエッジはしっかり存在させている。

さて、デシャンボーの投入結果はどうだったのだろうか。15位に終わった「ジェネシスオープン」では、ショートのミスをした後に、チップインを決める動画がTwitterに投稿されていたが、スタッツはサンドセーブ率が37.5%(52位タイ)、スクランブリングが60%(49位タイ)、パーオン率が珍しく58.33%(51位タイ)に落ち込んでいた。

ただし、科学者・デシャンボーの“ヒール肉盛”実験は始まったばかり。変数を解析し直した後は、必ず急激な進化をしてくるはずだ。

Text/Mikiro Nagaoka

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