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【記者会見】成長と課題が見えたドロー。葛飾・北智之監督「これまでなら敗戦していた」

9月9日、Fリーグディビジョン2第10節が行われ、リガーレヴィア葛飾とボアルース長野が対戦した。

開始5分、先制点を奪われた葛飾だが、13分、芝野創太がこぼれ球を押し込み同点に。17分に再び失点すると、18分には森岡薫のミドルで長野を追い立てる。第1ピリオド終了間際に3点目を決められ、1点ビハインドで試合を折り返すも、24分に川﨑柊音がネットを揺らし、スコアは3-3に。30分に4失点目を許すが、33分に再び芝野が4度目の同点弾を決め試合は終了。開幕戦で敗れた長野に食らいつき、勝ち点1をもぎ取った。

試合を終え、北智之監督とキャプテンの石崎尚が記者会見に出席した。

倍くらいは得点できるシーンがあった

●リガーレヴィア葛飾|北智之監督

──試合を振り返って。

ホームゲームで勝ち点3を取れなかったことは、非常に悔しいです。ただ、常に追いかける展開が続いても、最後まで諦めずにピッチに出ていた選手は戦ってくれていました。リーグ前半戦のような戦い方だったら、2点、3点と続けて失点して敗戦していたと思います。最後に勝ち越すことはできませんでしたが、自分たちがギリギリで勝ち点1をもぎ取ったことは、チームとしての成長を感じました。

ただ、首位の仙台が昨日も勝って、2位と3位チームが引き分けるというのは、勝ち点差が離れているとはいえども、優勝争いを簡単にしてしまいます。そこは私だけではなく、どちらのチームの監督も危機感をもつべき結果だと思います。勝ち切れなかったことに対して、何が足りなかったのかを分析して、次の試合に臨みたいです。

──4ゴールすることができたものの、一度も勝ち越すことができなかった一番の要因は何でしょうか?

まず我々のチームは、前線でタレントのある選手が揃っているので、シンプルにゴールを目指すことを軸においています。今年は、そのタレントを固定することなく、中に何枚か送り出すことに取り組んでいます。去年F2を1年戦ってスカウティングしたなかで、1枚のピヴォに対して1枚のフィクソを置くという特徴があったので、点が取れる選手をうまく活用していくことを意識しています。

4点では正直満足できませんし、倍くらいは得点できるシーンがあったとは思いますが、今日も得点チャンスを多くつくりだすことができました。

ただ、失点の部分に関しては、セットプレーのミス、単純なマークのミス、ポジションのミスが目立ちました。トレーニングも行い、ハーフタイムでも修正しましたが、あと1メートル戻るか戻らないか、ボールの移動中に戻るか、戻らないかの細かい粗が出てしまったかなと。

特に難しいのは、オフの時の守備ですね。オンの守備は、誰もがボールと相手を見れる状況ですが、今日の失点シーンはオフの守備でのミスで3失点しています。相手がピヴォを使うような攻撃なので、ボールの高さによってラインを下げるとか、逆サイドのアラがしっかりと高さを変えること。フットサルの基本的な、俗に言う逆アラの絞りの部分に関してのポジションの修正を、ボールをきちんと見ずに行ってしまった部分がありました。日頃、トレーニングをして対策をしていた内容にもかかわらず、ゲームで発揮しきれずに失点しまったことは、大きな課題ですし修正をしなければいけない点です。

相手に特別な戦術があって、難しいプレーをしてきたのではなく、自分たちのマークのエラーが出てしまったっていうのは非常に残念だなと思います。

──芝野選手をセットをまたいで起用して、アシストとゴールを生み出していました。それほど彼はコンディションが良かったということでしょうか?

先ほども言ったように、タレントがある選手が揃っているのは自分たちの強みです。彼はもともと、これまで大分、大阪、横浜でピヴォとして活躍していましたが、それ以外のポジションでも高いパフォーマンスを発揮してくれます。例えば芝野が一つ落ちて、ピヴォに高橋(健)が入ったり、ポジションの流動性と縦の関係は今シーズン意識している部分です。

実績も能力も高い選手ですが、今シーズンチームへの合流が遅れたり、少し怪我をしてしまったので、本人とのコミュニケーションを取り、試合で使っていきながら回復をしていこうという話をしていました。今までは出場時間が短かったりポイント的に使っていましたが、この1カ月ほどの中断期間で非常にコンディションが上がっていたので、今日は長く使いました。

──後半から使っていた川﨑選手も、すぐに得点を決めていました。コンディションも含めて期待どおりでしたか?

彼は5月の半ばに、第五中足骨を疲労骨折してしまい、オペをしてようやく今日がリーグ戦初出場でした。なので彼については、コンディションがこれから上がっていく選手です。相手を剥がしてフィニッシュまでもちこめる選手なので、勝負をかけていきたい背景もあり、あの時間帯から起用しました。

久しぶりの試合だったので、最後両足をつってしまっていましたが(笑)。これからもっともっと活躍してくれると思います。

──今、お話があったように中断期間が1カ月ありました。何か集中的に取り組んだことはありますか?

まず1週間オフを取り、心身共にリフレッシュをしてトレーニングを再開しました。前半戦の成績を見て、抜本的に何かを変えるということはなく、今、自分たちが進めている戦い方の質や強度を上げていくことに取り組んできました。

ゴール数で言えば、今リーグ2位で、この間長野が12得点(第8節 長野12-0新居浜)するまでは、一番得点を取れていました。チームの特徴としてゴールを奪う部分は伸ばしていきながら、失点をどう減らしていくかの両軸でトレーニングを積んで、技術、戦術、さらにフィジカル面もブラッシュアップしてきました。

残りの8試合のリーグ戦で、自分たちは8連勝を目指してやっていくために、特に自分が注力したのは、メンタル的な部分ですね。うちのチームは練習と試合のパフォーマンスに非常に差があり、練習でできていたことが、試合だとできなくなってしまうことがとても多いんです。どういうメンタリティが働いてそうなってしまうのか、という話をチーム全員にして、選手同士で話し合いをしてもらう時間もつくりました。

今日の試合に関しては、出てる選手と出ない選手がくっきり分かれる采配をしました。相手がいて、いろんな要素が噛み合うスポーツなので、メンタリティの向上は欠かせません。ピッチで戦える選手、そうじゃない選手のウォーミングアップでの目つき、雰囲気を自分は重要視しているので、そのあたりを見て今日のメンバーの配分になりました。

自分が現役の時も、1分も出れないことや、メンバーに入れない試合ももちろんありました。もう20年以上も前なので、競技、選手の環境も違いますが、自分がいたチームは常に優勝を目指して、1点を取られることすら許されないようなチームでした。その一員として、自分に何ができるか、選手として何をしなきゃいけないか、チームのために最善を尽くすことを、自分自身が考えて行動を起こさないと成長できません。

選手がそれぞれ、今日どういう思いをしたのかは本人たちしかわからないことですが、ここからどう次の試合に向かって取り組むかは、しっかり見ていきたいです。

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自分たちの戦い方が明確になった

●リガーレヴィア葛飾|石崎尚

──試合を振り返って。

シーソーゲームの展開で、連続失点をしなかったところは、この中断期間の取り組んできたことの成果でもあり、僕も含めて、チームの成長の一つかなと思います。もちろん勝ち点3が欲しかったですが、チームとしてのできることが明確になりました。ただ、失点の場面やもっと集中しないといけない場面はたくさんあるので、次の試合に向けてもう一度自分たちのやり方と向き合って、取り組んでいかなきゃいけないと思っています。

──ナイスセーブが何度も見られて、個人としてもかなり自信がついた試合になったのでは?

まず前半に1失点してしまい、連続で2失点したらきついなと思っていたので、絶対に防ごうと思っていました。自分自身、難しい局面もありましたが、そこは練習で取り組んできたことだったり、相手の特徴を踏まえたプレーができました。

──先ほど長野の記者会見では、葛飾のディフェンスに気持ちが入っていて、少し苦しんだというようなお話がありました。一番後ろで今日の戦いを見ていて、ピッチ上で守備面やの成長や、前半戦との違いを感じたことはありましたか?

先ほど少し話したとおり、まず自分たちの戦い方が整理されて明確になったことで、自信がついたのはポイントなのかなと思っています。

長野のカウンターも勢いがあったので、自分たちがボールを握ってる時間にどれだけリスク管理できるかを心がけながら、後ろの選手がどう前線を生かすか、いい形で攻撃にもちこめる守備ができるかは、自分もずっと考えながらプレーしていました。

失点の場面に関しては、本当にちょっとしたゴール前のエラーだったり、あと1メートル寄せるという点が原因なので、もう少し改善しなきゃいけないところだと思っています。

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