【バーモントカップ】埼玉県・ヴィオレータFCが初優勝!

8月10日、U-12年代の日本一を決めるJFAバーモントカップ 第33回全日本U-12フットサル選手権大会が大会最終日を迎え、準決勝、決勝が行われた。

決勝戦では、大会初出場のヴィオレータFCとジンガFCが一戦を交え、8-7の乱打戦の末ヴィオレータFCが初優勝を飾った。

ジンガvs神戸は、元アスレの“師弟対決”が実現

育成年代の主要大会として33回目を迎える今大会は、都道府県予選を勝ち上がった全48チーム(北海道は2チーム)が参戦し、8月8日からの3日間、熾烈な争いを繰り広げた。

大会最終日の10日の13時からは、ピッチAでFCデノバ札幌(北海道)vsヴィオレータFC(埼玉県)の準決勝が行われた。先制したヴィオレータは、3-2の一歩リードで試合を折り返すも、第2ピリオド14分に逆転を許す。しかし残り2分を切って勢いを取り戻したヴィオレータは、福川琳音、亀山陽士の連続ゴールで勝ち越しに成功。さらに福川のダメ押し弾が決まり2点差に広げ、試合終了まで残り24秒で1点を返されたものの、最後は逃げ切り5-4でヴィオレータが決勝に駒を進めた。

同時刻にはピッチBで、ジンガFC(千葉県)と、ヴィッセル神戸U-12(兵庫県)の試合が行われた。

この一戦は、2020-2021シーズンまで、立川・府中アスレティックFC(現立川アスレティックFC)でプレーした上福元俊哉が率いるジンガと、立川の監督を務めた谷本俊介氏がテクニカルコーチを務める神戸との“師弟対決”としても注目を集めた。

プレスを仕掛けるジンガと、プレス回避で虎視眈々とゴールを狙う神戸のハイレベルな争いは、5-2でジンガが逆転勝利を収め、前回大会で準優勝に輝いた神戸を下し、初出場で決勝進出を叶えた。

乱打戦を制し、ヴィオレータが初戴冠

準決勝の熱気が冷めぬまま、10日の15時からは、ヴィオレータFC(埼玉県)とジンガFC(千葉県)による決勝戦が行われた。ゴール裏には、両チームの家族やファンが詰めかけ、試合前から手拍子や選手を鼓舞する声援で包まれた。

試合開始からわずか20秒、左コーナキックのチャンスを、ヴィオレータの10番・亀山陽士が決め、先制点を奪う。直後に1点を返され、2分には逆転を許すものの、福川琳音が反転シュートを決めヴィオレータが即座に同点に追いついた。

対するジンガは、相手のロングボールでの攻撃に押し込まれながら、GK岡田采波が落ち着いたセービングを見せる。しかし7分に勝ち越され、8分にも失点。

指揮官の上福元監督によりタイムアウトが取られると、直後にキャプテン・岸田来流がゴール。さらに9分、岸田、宇賀諒の華麗な連係でパスを繋ぐと、最後は木下湧心が流し込み、4-4の同点で試合を折り返した。

続く第2ピリオド、両者は一歩も譲らず試合は拮抗するも、13分、亀山による目の覚めるようなミドルシュートでヴィオレータが再度逆転に成功した。ところが14分、相手選手と接触し亀山がベンチに退くと、一気に流れはジンガに傾き、ヴィオレータは立て続けに3失点。選手の表情に曇りが見えると、すかさずスタンドからは「気持ちをしっかり!」「まだ時間はあるよ!」と声が飛び交う。

すると、18分、再びピッチ立った亀山が、ゴール前で相手ディフェンスをかわして1点差に詰め寄ると、19分に同点弾をマーク。息を吹き返したヴィオレータは、残り時間40秒、鈴木豪がミドルシュートを突き刺すと、会場のボルテージは最高潮に。8-7で試合終了のホイッスルが吹かれると、選手の元にチームスタッフが駆け寄り、ピッチには笑顔と涙があふれた。

大会ベストプレーヤーには、優勝したヴィオレータからはGKの前田真尋と亀山陽士が名を連ねた。準優勝のジンガからは、池本尚希がノミネート。さらにベスト4のデノバから竹沢日向、神戸U-12からは蔵元颯人が選出された。

【大会最終日 結果】

準決勝
FCデノバ札幌 5-6 ヴィオレータFC 
ジンガFC 5-2 ヴィッセル神戸U-12

決勝
ヴィオレータFC  8-7 ジンガFC

大会ベストプレーヤー:

FP /10 竹沢日向(FCデノバ札幌)

GK/1 前田真尋(ヴィオレータFC)

FP/10 亀山陽士(ヴィオレータFC)

FP/30 池本尚希(ジンガFC)

FP/11 蔵元颯人(ヴィッセル神戸U-12)

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