天才ドリブラー・菊池大介はなぜ“三刀流”に挑戦するのか
プロだから、甘えは許されない
──菊池選手のキャリアはFリーグのなかでも貴重だと思います。湘南や浦和などJ1のクラブなどでプレーしてきた経験はチームにとっても大きなものだと感じます。
菊池 競技は違いますけど、同じスポーツとしてつながる部分は必ずあります。昨シーズンのことを詳しくはわからないですけど、負けや引き分けた試合と勝つ試合ではどんなことが違うか、アドバイスできることはあると思います。
競技だけで食べていける環境ではないですけど、お客さんがお金を払って見に来てくれるという意味ではプロですから、甘えは許されない。そういう世界だという厳しさは若い世代の選手に伝えられる部分があるかな、と。僕が経験したもので伝えられることがあればいくらでも話していきたいですし、一緒にいいチームを築いていければと思います。
──クラブをさらに引き上げていく。
菊池 そうしていきたいですね。やはり、名古屋オーシャンズが常に優勝している構図はおもしろくないと思います。いろいろなチームが優勝争いしないとFリーグは上にいけないと感じます。フットサルをもっと盛り上げたいですし、この規模のままではいけない。Jリーグと同じようにとまでは言わないですけど、そこに近づけるように、僕ができることは限られているかもしれないですけど、SNSでの発信を含めて、少しでも貢献していきたいと思っています。
──湘南はピッチ外の活動でも注目を集めていますよね。
菊池 ベルマーレはサッカーやフットサル以外のスポーツ事業も手掛けていますし、社会貢献活動など、人として大事なことをして、多方面とつながって、いろいろなチャレンジをしているクラブです。そういうことを発信して広めたいですし、Fリーグにもっと大きいスポンサーがついたり、大きなメディアで取り上げてもらうきっかけとなったりするように、自分も貢献したいです。
──フットサルのフロントスタッフとしてはどんなことを?
菊池 いろいろな角度からクラブを知ってもらえたらと思っています。昨シーズンはFリーグ内でも『ABeam AWARD』というすごい賞をいただきましたけど、それはなかなかできることではないと思います。そうしたきっけかでいろいろな人とつながって、スタジアムに来てもらう。そこまではスタッフとしての活動で、そこから先、今度は選手という立場で熱い試合を見せたいです。
──3月には、Jリーグのホームゲームで挨拶して、個人チャントを歌ってもらう一幕もありました。湘南のエンブレムを胸に戦う上で、サッカーのファン・サポーターへのメッセージもありますか?
菊池 サッカー界にはスタッフとして関わっていますけど、選手としては今、フットサル界をもっともっと盛り上げていきたいと考えています。Bリーグは、同じアリーナスポーツでも、すごく盛り上がっていますよね。フットサルも絶対そこに近づける、魅力のあるスポーツだと感じています。
昨シーズンの全日本選手権を現地に観に行ったのですが、生で体感する熱狂があり、めちゃくちゃ感動しました。会場に足を運んでもらい、それを体験してもらうことがフットサル界の盛り上がりにつながるはずです。そうしたところに僕は、貢献していきたいです。サッカーファンのなかにはまだフットサルを見たことがなかったり、行くきっかけがなかったりという人もいると思いますけど、ちょっとでも新規のお客さんが増え、それがどんどんつながり、広がっていったらいいなと思います。
──2017年にトッケイセキュリティ平塚総合体育館でのシュライカー大阪戦は、隣のスタジアムでJリーグ観戦を終えたサッカーのサポーターがその足で会場を訪れ、ものすごく熱狂的な空間になったということがありました。今でも、あの試合でハマったという方も多いそうです。
菊池 まさに、それが僕の役割でもあります。熱量のあるプレーをピッチで見せたいですね。
──菊池選手がフットサルで活躍する姿を楽しみにしている方も多いと思います。
菊池 それはヒシヒシと感じているので、頑張ります!
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