【女子Fリーグ】女王・浦安が新参入の湘南に完封勝利で4連覇へ好発進!立川は脅威の23得点!すみだは初の開幕戦勝利!
日本女子フットサルリーグ、通称「女子Fリーグ」は17日・18日、2016年のプレ大会から数えて8年目の開幕を迎えた。所属11チーム中10チームが神奈川県・シンコースポーツ寒川アリーナに集まるセントラル開催で5試合を行い、女子フットサルの熱狂が詰まった戦いを繰り広げた。特に3連覇中の女王、バルドラール浦安ラス・ボニータスは圧巻のパフォーマンスを披露。期待値の高い新参入クラブ、アニージャ湘南を寄せ付けない強さを示した。また、立川アスレティックFCレディースがミネルバ宇部に前代未聞の点差で勝利し、インパクトの残る開幕戦となった。
女王・浦安、技術・戦術とも別次元の強さで9得点
今節、もっとも注目が集まったのは、アニージャ湘南vsバルドラール浦安ラス・ボニータスだった。新参入を果たした“関東女王”湘南と、3連覇中の“女子Fリーグ女王”浦安は、どんな戦いになるのか──。その結末は、意外なほどのワンサイドゲームとなった。
開始わずか23秒。浦安は相手陣内でのキックインから、浮き球パスを塚本夏希が胸トラップで収め、左足シュートで早々に先制に成功すると、続く2分、右サイドの筏井りさからのパスを中央の松本直美が流し込み、あっという間にリードを2点に広げてみせた。
12分には、伊藤果穂の強烈なミドルシュートのこぼれを筏井が押し込み、15分には高い位置で横パスを奪った平井成美がそのままネットを揺らした。さらに18分、伊藤の斜めのパスを筏井がファーで詰めると、19分には、この試合が女子Fリーグデビュー戦となった江川凜が待望の初ゴールをマークするなど、第1ピリオドを終えて6-0と湘南を圧倒した。
第2ピリオドも攻撃の手を緩めない浦安は22分、伊藤がキックフェイントから相手を交わし、右足を一閃。31分には、江口未珂からのパスを左サイドで受け取った宮原ゆかりがフリーでミドルシュートを放ち、8点目。仕上げは残り6秒、伊藤のシュートのこぼれ球を濱野瑞己が決めて、9-0で試合は終了。女王・浦安は、戦術・戦略、個々の技術どれをとってもハイレベルであり、周囲が口々に「今年も優勝はラスボニだろう」という前評判通りの強さを示した。
一方、湘南は、関東リーグ女王として挑んだものの、力で及ばず。今シーズンから元Fリーガー、中島孝監督を擁立し、元日本代表・金山友紀コーチとの“レジェンドコンビ”でチームを再構築するなかで、随所に見せ場を作ったものの、純粋な力勝負では太刀打ちできなかった。
立川が脅威の23得点!Fリーグ史上最多得点差で勝利
今節に行われたそのほかの試合もトピックにあふれた。
SWHレディース西宮は、絶対的エース・江口未珂が浦安に移籍したことによる戦力ダウンが不安視されていたが、エスポラーダ北海道イルネーヴェを相手に立ち上がりから主導権を握り続けた。13分に逆カウンターから高尾茜利が先制点を決めると、14分には網城安奈のドリブル突破から江川涼が流し込み追加点。第2ピリオドは、昨シーズンの得点女王である北海道の10番・星山彩香に1点を返されるも、それ以上の反撃を許さず2-1で勝利を収めた。
アルコ神戸は、昨シーズン2位のメンバーを中心にしつつも、スタッフ陣を含めて新体制で臨んだ。特に、チーム創設メンバーであり、元日本女子代表などでも活躍した小村美聡が選手を引退し、チームの新代表に専念する形で舵を切るチームは“アルコ第二章”とも言われている。
そのチームを任された難波和樹新監督の下、神戸はまさに全員が躍動。リーグ戦にデビューした柳澤仁湖をはじめ、櫻田真衣や中島菜月ら、20歳以下の選手がゴールをマークするなど、さいたまサイコロを相手に5-0と圧倒。GKを含め登録全員がピッチに立ち勝ち点3を手にした。
立川アスレティックFCレディースvsミネルバ宇部は、ある意味で“歴史的な一戦”となった。
昨シーズン、優勝争いを繰り広げたメンバーが揃う立川に対し、宇部はフットサル歴の浅い若手選手を中心に登録は7人のみ。13歳の中学1年生、川崎玲來をはじめ、平均年齢19歳というなかで、戦力差は歴然だった。開始5分間はスコアレスで進んだものの、立川が佐々木日菜乃の先制点を奪ってからゴールラッシュがスタート。10-0で試合を折り返すと、第2ピリオドはさらにゴールを重ね、終わってみれば84本のシュートを放って、23-0のスコアで終了した。
男子を含め、Fリーグ史上最多得点数、得点差という歴史的なゲームとなったが、宇部はシュート数もわずかに3本。とはいえ、最後まで声を張り上げ、守備に奔走し、自身も2本のシュートを放ったキャプテン・時髙美紅が見せた闘志には、詰めかけたファンも拍手を送った。
すみだは昨シーズン、参入3年目でワーストとなる、10チーム中9位でフィニッシュ。今シーズンは、すみだの育成年代でも指導経験がある権正直樹監督を擁立し、守備力の向上に着手した。掲げた目標は「開幕無失点」。日本女子代表でもゴールを守るGK須藤優理亜がファインセーブを連発してチームを盛り立てると、8分に原川菜々子、25分に玉川華帆と、第1ピリオド、第2ピリオドに1点ずつを決めて終盤へ。最後まで集中した守備を見せ、宣言どおりクリーンシートで試合を終え、女子Fリーグ参入後、4年目で初の開幕戦勝利を手にした。
■試合結果
6月17日(土)
時間 | カード | 会場 |
---|---|---|
12:00 | SWHレディース西宮 2-1 エスポラーダ北海道イルネーヴェ | シンコースポーツ寒川アリーナ |
14:30 | さいたまサイコロ 0-5 アルコ神戸 | シンコースポーツ寒川アリーナ |
6月18日(日)
時間 | カード | 会場 |
---|---|---|
10:30 | 立川アスレティックFCレディース 23-0 ミネルバ宇部 | シンコースポーツ寒川アリーナ |
13:00 | 福井丸岡ラック 0-2 フウガドールすみだレディース | シンコースポーツ寒川アリーナ |
15:30 | アニージャ湘南 0-9 バルドラール浦安ラスボニータス | シンコースポーツ寒川アリーナ |
■順位表
点 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | ||
1 | 立川 | 3 | 1 | 0 | 0 | 23 | 0 | 23 |
2 | 浦安 | 3 | 1 | 0 | 0 | 9 | 0 | 9 |
3 | 神戸 | 3 | 1 | 0 | 0 | 5 | 0 | 5 |
4 | すみだ | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 |
5 | 西宮 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 |
6 | 流経大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
7 | 北海道 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | -1 |
8 | 丸岡 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | -2 |
9 | さいたま | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | -5 |
10 | 湘南 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 9 | -9 |
11 | 宇部 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 23 | -23 |
■次節試合日程
6月24日(土)
時間 | カード | 会場 |
---|---|---|
11:00 | 流経大メニーナ龍ケ崎 vs アニージャ湘南 | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
13:30 | フウガドールすみだレディース vs アルコ神戸 | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
16:00 | さいたまサイコロ vs ミネルバ宇部 | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
6月25日(日)
時間 | カード | 会場 |
---|---|---|
10:00 | エスポラーダ北海道イルネーヴェ vs 立川アスレティックFCレディース | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
12:30 | さいたまサイコロ vs SWHレディース西宮 | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
15:00 | ミネルバ宇部 vs バルドラール浦安 | キリンレモンスタジアム ソルトアリーナ防府 |
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