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サッカーで言えばレアル・マドリードでレギュラーになるようなもの。スペインのビッグクラブで躍動する23歳のフットサル日本代表・山田凱斗とは何者?|渡邉知晃コラム

目標はタイトルを獲得すること

筆者は3月末にスペインに行き、インテルのホームで行われたコルドバ戦を現地観戦してきた。かなり久しぶりにスペインリーグの試合を現地で観たが、レベルの高さを改めて感じた。

一人ひとりのプレーヤーとしてのクオリティの高さはもちろんだが、個人戦術、チーム戦術、流動的なパス回し、セットプレーなど、見ていて勉強になることがたくさんあった。日本のFリーグのレベルも上がってきていることは間違いないものの、上には上がいる。スペインもまた、向上を続けている。

そんな舞台にスターティング5として出場した山田は、かなりの長時間をピッチの上で過ごしていた。大きなミスをすることもなく、”普通に“やれていた。なぜ「普通に」を強調したかというと、“普通にやること”自体が難しいリーグだからである。

スペイン語で監督とのコミュニケーション、選手とのコミュニケーションが取れなければ、意思疎通も図れないし、連動して動くことも難しい。さらに、チームメイトとの信頼関係も大事になってくる。

サッカーやフットサルで海外挑戦をした選手から、「信頼されるまでパスが全然回ってこない」という話をよく聞く。逆に、信頼を勝ち得ることができれば、わかりやすいほどパスが回ってくる。

そういった意味でも、今の山田はチームメイトとも積極的にコミュニケーションを図れており、試合中も良好な関係性を築けていることがうかがえた。

一つ驚いたことがある。その日のインテルは、3-1とリードして試合終盤を迎えた。リードされている相手のコルドバは、当然パワープレーを選択してきた。それを受けて立つインテルの守備セットのメンバーに、山田がいた。

通常、パワープレーという特殊局面は、適正なども加味して限定されたメンバーで行うことが多い。攻撃であれば、シュートが強い選手やパスがうまい選手、利き足などを考慮したメンバーが選ばれる。

守備に関しては、数的不利の状況で守らないといけないため、ポジションを細かく調整するスピードやコース限定の仕方、運動量が求められる。この重要な役割を任されていたということは、監督が信頼していることの証だ。

コルドバの素晴らしい崩しから1失点こそ許してしまったが、1点のリードを守り切って3-2でインテルが勝利。山田は攻守両面でチームに貢献した。

そんな山田には、やはりこのままインテルというビッグクラブでプレーを続けてほしいというのが筆者の気持ちであり、日本のファンの願いでもある。

今年23歳となった山田には、一つの壁がある。23歳まではいわゆる日本でいうところの2種登録が可能だ。つまり、トップの試合に出ながらもセカンドチームの試合に出ることができる。

しかし、24歳になると2種登録はできなくなり、トップ登録もしくはセカンドチーム登録のどちらかしかできなくなるのだ。つまり今シーズン終了後、来シーズンの契約でどちらの登録になるのかが決まる。

「これだけ試合に出ているからトップに残れるだろう」と思う方も多いと思うが、スペインリーグはシビアな世界だ。世界各国の素晴らしい選手たちが集まる舞台であり、移籍していく選手もいれば、新加入選手の獲得もある。

良くも悪くも、インテルのチームとしての来シーズンの予算やチーム編成、構想次第ということになってくる。

「このまま継続して試合に出ることと、タイトルを獲得することが目標です」

まずは残り試合、ピッチ立って結果を残し続け、来シーズンのトップチームでの契約を勝ち取ってほしい。そして願わくは、インテルの一員としてスペインリーグを優勝して、日本人として初のスペインリーグチャンピオンになる姿を見てみたい。

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