清水和也はなぜ、日本に復帰したのか?スペインでの大活躍からFリーグへの復帰……アジアカップ優勝を成し遂げた怒涛の半年間
今シーズンのFリーグにおける大きなトピックの一つはこれだ。
「日本代表のエース・清水和也がすみだに復帰」
リーグ開幕前、所属していたスペインのクラブからの退団が発表された際に、すみだファンのみならず、フットサルファンの多くが、4年ぶりとなる日本復帰を予感しただろう。
一方で、Fリーグ開幕直後に改めてすみだへの復帰が決まると、「まだまだスペインでやれるのでは?」と感じた人もいたに違いない。復帰を祝う声と惜しむ声、両方の声があった。
世界的ビッグクラブの一つ、バルセロナから2ゴールを決めた日本人ストライカーは、昨シーズンのリーグ戦で16得点を挙げるなど、スペインリーグで大きな存在感を放っていたからだ。現在、25歳。成長曲線が上昇カーブを描き続けているなかで、世界最高峰のリーグにおいてどこまで高みを目指せるのか、さらなる飛躍を期待した人も多かっただろう。
清水は、日本復帰という決断を下した。
そして、日本のエースとして臨んだアジアカップでは苦しみながらも自身初となる優勝のタイトルを獲得。
怒涛の半年間を過ごし、改めて今、移籍の真相とこれからのビジョンを語った。
※インタビューは7月25日と11月15日に実施
インタビュー・編集=渡邉知晃、本田好伸
【日本代表のスーパーゴール】フウガドールすみだ 清水和也
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スペイン大活躍に至るまでの苦悩
──スペインにはもともと期限付き移籍でしたよね?
そうです。3年間の期限付き移籍でした。
──行く前から3年間と決まっていたのですか?
はい。エルポソ・ムルシアとの契約が3年だったので、レンタル移籍という形で出ました。エルポソからコルドバには2年目の途中に移籍したので、エルポソには結果的に1年半の在籍になりましたね。
──コルドバへの移籍は、保有権はどこに? 完全移籍ですか?
規定上、二重レンタルはできないので、エルポソの保有権を切って、フウガとコルドバとの間でレンタル移籍を再契約しました。
──出場機会を求めた。
エルポソに加入して2カ月くらいでトップの練習に参加し始めて、トップにケガ人が出た時は公式戦にも帯同しましたが、出場機会はなかなか得られませんでした。
それでも2部ではエルポソBが7位という(中位以上の)順位になったり、チーム内で得点王になったりしたことで、(評価されて)トップ昇格もあるかなと思ったのですが、次のシーズンもBチームスタートでした。
──トップチームからの評価は変わらなかったのですか?
2年目はトップの練習に参加して、試合にも帯同していましたし、可能性はあると感じていましたが、登録はエルポソBのままでした。しかも、トップに帯同しているので、Bの試合にはあまり出られない。試合に出られない環境が自分にとってプラスではないと感じて、代理人に「冬の市場で1部のチームに移籍したい」と話して、移籍が実現しました。
──エルポソに1年半在籍していたということは、コルドバとは1年半契約?
冬の市場での移籍なので、「シーズンの残り半年+オプションで1年」という契約でした。エルポソとトータルすると3年間。ただ、コルドバに移籍した年に新型コロナウイルスがスペインで大流行してしまい、冬の移籍後に3試合しか出られずにリーグ戦が終わってしまい不完全燃焼だったので、オプションを使って1年間延長したという形です。
──でも、結果的にさらにもう1年いましたよね?
スペインに移籍して3年目のシーズンが始まってすぐに、コルドバからプラス2年の契約をしてほしいという話をもらいました。それで、須賀さん(雄大/当時すみだ監督)にもう1年残りたいという話をして、再度コルドバとのレンタルを延長しました。
──なるほど。コルドバとはプラスで2年契約を結んだのですか?
いえ、コルドバには1年契約+もう1年のオプションを要求しました。
──でも、4シーズン目が終わった後、オプションを行使せずにフウガに復帰しました。
そうです。
──清水選手がコルドバであまり活躍していなければ、日本のファンも「試合に出たいんだろう」と思いますけど、年間16ゴールも挙げていたなかで復帰しました。もったいないとか、まだやれるという意見もたくさんあるなかで、どうして帰ってくる決断をしたのですか?
もともとフウガドールすみだからの期限付き移籍という形だったので、フウガとは常にコミュニケーションをとっていました。復帰に向けてのオファーがあったというのも大きな理由ですし、日本代表活動への参加がしやすくなるというのもポイントでした。海外にいると代表へ招集はされるものの、シーズン途中ということであれば所属クラブとのスケジュール・自身の体調のコンディションの調整も必要になります。日本にいれば、シーズン途中での招集というのはありませんし、クラブとの調整もスムーズです。日本人として、日本代表活動に参加して、より多くの人に恩返しをしたいという気持ちが募っていたというのも、帰ってきた理由のひとつですかね。
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