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【アンゴラ戦翌日WEB取材】主将の哲学。「昨日は彼だっただけ」ミスに仲間にフットサルに、フラットに。

9月15日、アンゴラとのW杯初戦を8-4で勝利した翌日、日本代表選手数名とブルーノ・ガルシア監督がオンライン取材を行なった。

キャッチーなコピーを付けたり、言語化したり、レッテルを貼ったり、良くも悪くも我々メディアの仕事である。だから、このファーストセットにも「史上最強の」という枕を付けようとした。ただ、そうしなかったのは我々の中にも、2016年の「史上最強」へのトラウマがあるからかもしれない。何が言いたいかというと、オリベイラ・アルトゥール吉川智貴逸見勝利ラファエル清水和也のファーストセットは「ベストだ」ということである。

昨日のアンゴラ戦も立ち上がりは上々だった、強度の高いプレスでアンゴラを溺れさせた。ただ昨日の彼らはずっとベストではなかった。良い方にも悪い方にもスコアを動かしてしまった。良い方で目立ったのがアルトゥールならば、悪い方に目立ったのは逸見だった。

2012年の日本代表キャプテン・小宮山友祐(現バルドラール浦安監督)も先日、対談企画で話してくれたが「フットサルはミスの起こる競技」であり、付け加えるなら「ミスが命取りになりやすい競技」でもある。そして「ミスが起きた時、どういったふるまいができるか。智貴は彼のやり方でチームを一つにすればいい」とエールを贈っている。

吉川はこの日取材で言葉をひねり出していた。重巡して、選んで、紡いだ言葉から見える、吉川智貴のキャプテンとしてあり方を、このインタビューから想像して欲しい。

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「昨日のミスで信頼はなくならない。支え合うのがチームスポーツでありフットサル」

──W杯は初めてですが、入場や国歌斉唱でどんなことが頭をよぎった?
普段通りと言えば普段通り、でしたけど。代表の試合はいつも緊張感があるので、それほど違いはなかったと思いますが、国歌斉唱の時には今までの思い出、一番近くで支えてくれた家族のことが頭をよぎりました。

──昨日のアンゴラ戦、点を取れた**反面、失点もあり、吉川選手も絡んだところあった。全体の総括を聞かせてください。**
ゲームコントロールが1試合通してあまりうまくできなかったです。立ち上がりにチャンスもたくさんあって、そこで決め切っていたら試合を決定づけられたと思いますが、なかなか点が入らず我慢して我慢して。点が入り出すと、こちらの失点の仕方が悪く「アンゴラを最後まで粘り強く“自分たちが”させてしまった」ところがあったと思います。

──1失点目、逸見選手が最後尾でキープしたところを奪われての失点でしたが、星龍太選手は「サポートも足りなかった」と。ゴレイロの関口優志選手はクリアを要求していた。吉川選手もピッチにいたが、どう感じていますか?
ボールを切ればよかっただけ、それ以外ないと思います。

──今後はそれを徹底する。
そうですね。

──4失点目は、吉川選手から逸見選手へ戻したパスをかっさらわれての失点でしたが?
うーん……そうですね……自分のパスがずれてしまったということはあったと思いますが……うーん、まあ………全体的にサポートの質が良くなかったというのがあります。あの失点シーンだけではなく、後ろの方で奪われるシーンやパスミスもたくさんあったので。そういう場面でどういうプレーを選択すべきかと、周りのサポートの質は上げていかないといけないと思います。あの失点シーンに関しては自分のパスミスだと思います。

──親善試合ではそういったエラーが昨日ほど起こらなかったが、W杯という舞台だから?
ちょっとわからないですね、それは。どうなんですかね。

──個人的には、いつも通り?
そうですね。いつも通りでしたし、どこかでミスが起こるスポーツではありますが、起きてはいけないミスが多かったのが昨日の試合でした。ただ、勝った中でのそういうミスだったのは幸いだったかなとは思いますし、今後もっともっと厳しい戦いが続いていく中で、昨日のようなミスをしていたら上には行けないと思います。でもみんな理解していると思います。批判することではないと思いますし、頭の中のチップを変えるだけかなと思います。

──4得点目のアルトゥールのボレーのアシスト、CKでのループパスの狙いを教えてください。
第1ピリオドから相手のセットプレーの守備にゆるいところがあるとずっと感じていました。パスを出してシュートという形で終われていたので「続けていけばセットプレーで点が入るだろう」という感覚ではいました。あの得点は第1ピリオドから続けていた形です。うまくブロックが入って、自分がいいパスを出せれば得点につながるだろうと思い、そのスペースにボールを落とすことだけを考えていました。

──ファーストセットは、大会前の親善試合からずっとブルーノ監督が固定してきましたが、「ファーストセットとしての役割」を昨日は果たせた? 得点も失点も生まれましたが?
おっしゃる通りだと思います。昨日に関しては、正直あまり良くなかったと思います。親善試合から含めて内容的には、一番良くなかったゲームだと思います。ファーストセットとして試合に出る以上、最初の5分、第2ピリオド最初の数分は大事になってくるので、昨日の試合から1、2段階上げていく必要があると感じています。

──2失点に絡んでしまった逸見選手へ、キャプテンとしての声かけは? 今後の彼に期待することは?
さっきも言いましたが、ミスがあるスポーツではあるので、昨日はたまたま彼だった。次の試合は誰がミスをするかわからないですし、それを支え合っていくのがチームスポーツですし、フットサルという競技だと思っています。ハーフタイムに彼とは「切り替えて行こう」と話しました。特に、昨日のことについて根掘り葉掘り聞く必要もないのかなと思っていますし、普段通りのプレーをしてくれれば、次のスペイン戦、パラグアイ戦で活躍してくれると思うので、昨日のミスで信頼がなくなることはない。ミスを全員でカバーし合って行ければいいと思います。

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