【NBA FINALS】歴史が変わる瞬間!? 初心者でもわかる今年のファイナルの注目ポイント

写真(左):タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)/提供:AP/アフロ,写真(右):シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)/提供:AP/アフロ

最前列のチケットは、日本円で推定約500万円。3階席の端の席で、選手が豆粒のように見える席でさえ約10万円。たった2時間強の、バスケの試合なのに、だ。
約2万人が入るアリーナで、このような破格の価格設定をしても即完・満席。好きなチームのユニフォームをはじめとするグッズやアリーナグルメの売上も含めると、とんでもない経済効果が見込まれる。

アリーナには、全米中のセレブやレジェンドNBAプレイヤー、メディア、アーティストなどが一目見ようと集い、彼ら・彼女らだけでなく来場者の全てが、派手な演出やパフォーマンス、そしてスーパープレーの釘付けになる。それが、NBA FINALSだ。

日本時間で6/6(金)9:30にGAME.1を迎える2024-25シーズンの頂上決戦NBA FINALSは、圧倒的強さを誇ったWESTの王者:オクラホマシティ・サンダーと、東地区4位から這い上がってきたアンダードッグ:インディアナ・ペイサーズの2チームにて、4戦先勝方式(最大7試合)にて行われる。

この記事では、NBA初心者の方や、普段B.LEAGUEを見ている方に向けて、わかりやすくNBA FINALSの魅力を伝えていく。

NBAとは

まず前提として「NBA」とは、競技やビジネス、人気、来場者数、メディアの露出など、あらゆる面で世界最高のアメリカのバスケットボールのプロリーグである。90年代にマイケル・ジョーダンの影響で一躍有名になり、以降、世界最大のバスケコンテンツだ。

現在のNBAは、概ねアメリカ本土の中央から東西に分けて、EAST(ニューヨークやボストン等)・WEST(カリフォルニアやシアトル等)の2カンファレンスで、それぞれ15チーム・計30チームが所属する。

シーズンは10月から翌年4月上旬までの約半年で82試合が行われ、その成績によって順位が決まる。EAST・WESTの上位8チームずつ(※)が、年間優勝を決めるPLAYOFFSに出場できる形。当然、PLAYOFFS出場が叶わなければシーズンENDであり、早速翌シーズンに向けた準備が始まる。
(※)……第7-8シードを決めるプレーイン・トーナメントを含めると10チームずつ

NBA FINALSとは

上記PLAYOFFSで、EASTの8チーム、WESTの8チームの猛者を打ち破った、EASTとWESTのチームによる頂上決戦が、NBA FINALSである。

今年の対戦カードは、東西合わせた30チームの中で最高勝利数(68勝14敗)だった、WESTの覇者:オクラホマシティ・サンダーと、EAST 4位だったにも関わらずPLAYOFFSで勝負強さを見せつけた東のアンダードッグ:インディアナ・ペイサーズが激突することとなった。

この両チームは、BAA時代含むNBAの79年の歴史を見ても、優勝経験が一度もない。
前回このFINALSの舞台に立ったのは、サンダーが2011-12シーズンの13年ぶり。この年は、レブロン・ジェームス、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの超スーパースターのBIG3が揃いNBAに革命を起こしたマイアミ・ヒート王朝時代の幕開けであり、サンダーは1勝しかできずに終わった。
一方のペイサーズは、1999-2000シーズンの25年ぶり。当時はコービー&シャック(コービー・ブライアントとシャキール・オニール)の史上最強デュオによる最強オフェンスを止められずに2勝4敗で敗退。ジョーダンが退いたNBAでこの2人は無双をし、以降、3年連続でNBAを制することとなる(3連覇を”スリーピート”と言う。スリーピートを達成したチームは、NBAで3チームしかない(ロサンゼルス・レイカーズ、ボストン・セルティックス、シカゴ・ブルズ)。

両チームは優勝経験が一度もないだけではなく、FINALSに一度だけしか出場経験がない。今回が両チームにとって二度目のチャレンジであることからもわかるように、NBAの歴史が変わるFINALSでもあるのだ。

 

NBA FINALS開催スケジュール

NBAはB.LEAGUEと異なり、FINALSでもホーム&アウェーで試合が行われる。4戦先勝方式で行われるため「最大7試合」が行われるが、レギュラーシーズンで成績のよかったチームに、ホームで試合を1つ多く開催できる権利がある。
以下、日本時間における開催スケジュールだ。

GAME.1:6/6(金)9:30- @オクラホマシティ/ペイコム・センター
GAME.2:6/9(月)9:00- @オクラホマシティ/ペイコム・センター
GAME.3:6/12(木)9:30- @インディアナ/ゲインブリッジ・フィールドハウス
GAME.4:6/14(土)9:30- @インディアナ/ゲインブリッジ・フィールドハウス
GAME.5:6/17(火)9:30- @オクラホマシティ/ペイコム・センター
GAME.6:6/20(金)9:30- @インディアナ/ゲインブリッジ・フィールドハウス
GAME.7:6/23(月)9:30- @オクラホマシティ/ペイコム・センター

▼アメリカ現地時間のスケジュール

 

少し余談ではあるが、NBA FINALSにおける幾つかのジンクスを紹介したい。

ジンクス1:GAME.1の勝者が優勝する確率は、約70%

上記の通り、GAME.1を制したチームほど、優勝する確率が非常に高いというジンクスがある。その確率は約70%と言われているほどだ。また、逆にGAME.1と2を落としてスタートから2連敗してしまったチームが優勝できる確率はかなり少ない。2000年代では、2016年にレブロン・ジェームスが所属していたクリーブランド・キャバリアーズが成し遂げただけである。
よって、GAME.1と2をホームで開催できるサンダーは非常に有利であろう。

▼1勝3敗から大逆転の優勝を果たした、2016年のキャバリアーズ

ジンクス2:MVPがいるチームは勝てない

あくまで初心者の方にNBAを楽しんでもらいたい、という意図でこの記事を執筆しているが、もし読者の中にサンダーのファンがいたのなら先に断りを入れておきたい。
筆者は現代NBAだとポートランド・トレイルブレイザーズファンであり、昔はシアトル・スーパーソニックスファンである。かつ、EASTではデトロイト・ピストンズファンのため、当然サンダーを推している。ここは誤解なきように伝えておくが、NBAにはドラフト1位がいるチーム、あるいはMVPがいるチームは優勝できないというジンクスがある。
我がOKC(オクラホマシティ・サンダー)には、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーという、今シーズンのMVPがいることは、言うまでもないだろう。

シーズンMVPを獲得した選手がその年に優勝したのは、直近では2011-12シーズンならびに2012-13シーズンのレブロン・ジェームズ(マイアミ・ヒート)と、2014-15シーズンのステフェン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)ぐらいだ。
シェイは、このジンクスを打ち破れるか。

▼シェイは、シーズンMVPとシーズン年間最高勝率を記録したNBA史上8人目の選手でもある

 

ジンクス3:新のスーパースターは、プレーオフで輝く

バスケの神様:マイケル・ジョーダンや、現代NBAの申し子:ステフェン・カリーなどは、PLAYOFFSで脅威的な強さを誇る。簡単にいうと「勝負強い」ということだ。
ジョーダンの現役時代のプレーオフの成績は、118勝53敗(勝率69.0%)、カリーも150試合以上を戦っているが勝率は6割超えであり、経験したFINALSのGAME.7では7戦6勝という圧倒的な強さを誇る。

シーズンMVPを受賞したシェイか。”過大評価”と言われ続けてきたハリバートンか。新のスーパースターが生まれるFINALSは、日本時間の6/6(金)9:30から、オクラホマシティ・サンダーのホーム:ペイコム・センターから始まる。

 

視聴方法について

NBAは日本では3つの方法にて見ることができる。
1・楽天NBA:月額4,500円(税込)/全試合視聴可能/デバイス2台まで同時視聴可能
2・WOWOW:月額2,530円(税込)/毎週7試合まで視聴可能/デバイス1台まで
3・ABEMA de WOWSPO:月額1,980円(税込)/毎週7試合まで視聴可能/デバイス2台まで同時視聴可能
※なお、楽天モバイルの契約者は、楽天NBAにてNBAの試合が全試合無料で観戦可能。

ライブ配信ではなく試合後のハイライト動画なども様々なチャンネルからアップされている。
試合の全てを丸ごとみたい方は、ぜひ上記の方法にてご観戦をお楽しみください。NBA FINALSは、まもなく。