
スポーツの種類によって、試合時間やその区切り方に違いがありますよね。
サッカーのように前後半で分ける「前後半制」にする競技もあれば、アイスホッケーのように試合を3つに分けた「3ピリオド制」のスポーツもあります。
そして、さらに細かくして4つに分けた「クォーター制」のスポーツも存在します。
その代表的なスポーツが「バスケットボール」です。
この記事では、そんな「バスケットボールはなぜクォーター制なのか?」という疑問について解説していきたいと思います。
近年まで前後半に分けた「ハーフタイム制」だった
日本のバスケットの歴史に大きな影響を与えた大ヒット漫画『スラムダンク』では、高校バスケットのルールが「前後半制」でしたよね。
それもそのはず、2000年以前は日本の学生はもちろん、国際大会も試合時間は前後半制がスタンダードでした。
しかし、2001年に国際ルールが変更されると、本格的に日本の学生年代もクォーター制に変更となりました。
ただし、各クォーターの時間は年代によって違います。
・ミニバス 各クォーター6分
・中学生 各クォーター8分
・高校生以上 各クォーター10分
・Bリーグ 各クォーター10分
・NBA 各クォーター12分
バスケットボールはなぜクォーター制なのか?
そもそもの疑問として、「なぜバスケットボールはクォーター制なのだろう?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
わざわざクォーター制にせず、前後半制にした方がシンプルで分かりやすいはずです。
これには、2つの「理由」がありました。
スピーディーな試合展開を期待できるから
1つ目の理由が、「スピーディーな試合展開を期待できるから」です。
バスケットボールはとても運動量の激しいスポーツで、頻繁に交代できるとはいえ20分間戦い続けるのはかなり体力的に厳しくなります。
しかし、クォーター制にすれば各クォーター10分でOKになり(NBAは12分)、全力でプレーしやすくなります。
実際にクォーター制にしたことでよりスピード感あふれる競技となり、魅力度も向上したのです。
テレビ中継がしやすいから
バスケットボールの本場であるNBAでは、いち早くクォーター制が導入されましたが、これは「テレビ中継がしやすいから」という理由がありました。
テレビ中継はスポンサーのCMを流さなければなりませんが、前後半制のスポーツの場合はCMを入れにくいですよね。
しかし、4分割にするクォーター制であれば、各インターバルの間にCMを流すことができるので、商業的なメリットがとても大きくなるのです。
なぜNBAだけ12分なのか
もう1つこのクォーター制で疑問に感じるのが、「なぜNBAだけ1クォーター12分なのか?」ということです。
同じプロであるのに日本のBリーグや各国のプロリーグ、国際試合は10分となっています。
これは、基本的に10分が世界的に標準であり、12分のNBAが異例なのです。
その理由としては、各クォーターが10分だと中継コンテンツとしては短すぎるからと言われています。
真偽のほどは確かではありませんが、商業的な理由によって12分になっている可能性が高いのです。
試合時間は40分(もしくは48分)だが実際はかなり長時間行われる
試合時間は各クォーター10分(NBAは12分)なので、トータルで40分(48分)ですよね。
しかし、実際の試合開始から試合終了までの時間は、2時間~3時間程度かかることがほとんどです。
その理由としては、「バスケットボールは時間が止まる回数が非常に多いから」です。
例えばサッカーでは、ファウルがあったりボールがフィールドから外に出たとしても時計が止まることはありません。
その分「ロスタイム」として加算されますが、その回数も時間もそれほど多くないのでトータルの時間は試合時間が90分であるのに対して2時間程度となっています。
しかし、バスケットボールの場合は、ファウルやフリースロー、コートの外にボールが出た時などに必ず時計が止まります。
その他にも、作戦をチームで共有することができる「タイムアウト」というシステムも存在します。
これらは試合中に頻繁にあり、インターバルやハーフタイムなどすべての時間を足すと試合時間の倍以上になることも多いのです。
それゆえに、バスケットボールを観戦する際は、実際のプレーを見て楽しむだけでなく、各チームの作戦や各選手のスタッツなどを確認したり、会場の雰囲気を楽しんだりするのもおすすめです。
まとめ
今回は、「バスケットボールはなぜクォーター制なのか?」という疑問について解説してきました。
・スピーディーな試合展開を期待できるから
・テレビ中継がしやすいから
この2つのポイントがクォーター制になった理由であると考えられます。
現代ではミニバスからプロまでのすべての試合でクォーター制を採用しているので、今後もこのルールは変わることがないはずです。
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