「もう笑うしかない」デイビスの発言にサンズのブッカーとエイトンが反論「ケガもゲームの一部」<DUNKSHOOT>
現地時間3月13日、2020年の覇者ロサンゼルス・レイカーズは、昨季ファイナルに勝ち進んだフェニックス・サンズの前に111−140で大敗し、今季のサンズに3戦全敗となった。
両チームは昨季プレーオフのファーストラウンドでも激突しており、サンズが1勝2敗から3連勝でシリーズを逆転し、レイカーズの連覇を絶ってみせた。
もっとも、この試合でサンズに火をつけたのはアンソニー・デイビスだった。レイカーズが誇る攻守兼備のビッグマンは、現在ケガで離脱しているが、昨季プレーオフでサンズに敗れた要因が自身のケガ(鼠径部)かと聞かれて「あれは……俺たちもわかっているし、彼らもわかっていることだろう。彼らは上手く切り抜けたのさ」とゲーム前にコメント。
デイビスは昨季のシリーズ第2、3戦でいずれも40分前後プレーし、2戦連続で34得点を奪い、レイカーズへ勝利をもたらした。
ところが、鼠径部を痛めたことで第4戦は約20分の出場にとどまり、翌5戦は欠場。第6戦はわずか5分しかプレーできず、不完全燃焼でチームも敗れた。
とはいえ、プロスポーツの世界で“タラレバ”は禁物。そう思っていたとしても、よりによって試合前にこぼしてしまうのは相手のモチベーションを高めてしまうだけであり、実際にレイカーズは惨敗。
サンズのディアンドレ・エイトンが試合後に「ケガもゲームの一部」と話したとおり、もしデイビスが健康体でプレーしていたとしても、レイカーズがシリーズを制したかどうかは誰にもわからない。ケガは誰にでも起こり得ることで、選手たちがコントロールできることでもない。
エースのデビン・ブッカーはデイビスのコメントについて「もう笑うしかないね」と切り出し、“もし○○だったら…”を意味する「What if…」を交えて「このゲームにはいくつもの“ifs”がある。これまでの歴史を見てくれれば、どのチームにもどんなシーズンでもあるものさ」と切り返していた。
14日を終えた時点で、サンズはウエスト首位かつリーグトップの54勝14敗(勝率79.4%)でウエストの第1シード獲得が濃厚。一方のレイカーズはこの日トロント・ラプターズに103−114で敗れて2連敗となり、ウエスト9位の29勝39敗(勝率42.6%)と低迷。
これによってウエスト8位のロサンゼルス・クリッパーズ(36勝35敗/勝率50.7%)とのゲーム差が5.5まで拡大。レイカーズがプレーオフへ進むためには10位以内をキープし、プレーイン・トーナメントで1勝し、さらに7位と8位チームによる敗者と第8シードをかけた一戦に制するしかない状況だ。
チームにとってデイビスの復帰が近づいていることは朗報だが、昨季から今季にかけてこの2チームは両極端な道のりを歩んでいる。サンズがオールスターブレイク後に司令塔のクリス・ポールをケガで欠きながら勝利を重ねているのに対し、レイカーズは依然として黒星先行。
「(デイビスが復帰することで)いくつかの面でバンドエイドを貼って抑えることはできるだろう。だが俺たちにはまだケミストリーが出来上がっていない。グループとして、自分たちに何ができるのか、それを理解するための時間が足りていないんだ」
リーダーのレブロン・ジェームズが口にしたこの言葉こそ、レイカーズが今季苦戦している最大の要因と言えるだろう。現時点ではもし彼らがプレーオフへ滑り込んだとしても、サンズの返り討ちに遭うことが濃厚だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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