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今季2度目の3連敗を喫したレイカーズ。離脱者続出の現状にレブロンは「現在地を見極めるのが難しい」<DUNKSHOOT>
今季、キャリア19シーズン目を戦っているロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ。今月末に37歳を迎える大ベテランは、ここまで平均37.0分をプレーし、26.4点、6.6リバウンド、6.6アシスト、1.70スティール、0.95ブロックという一線級の成績を残している。
ここ2試合ではいずれもフィールドゴール成功率50%を超えながら30点以上をあげており、レブロン自身は決して調子が悪いわけではない。だが、チームは12月21日(現地時間)のフェニックス・サンズ戦を90−108で落として今季2度目の3連敗。16勝16敗(勝率50.0%)でウエスタン・カンファレンス6位タイにとどまっている。
「俺たちには分からない。どんなチームになっていくことができるのか、まったく見当がつかないんだ」
シーズンの折り返し地点に差し掛かろうとしているなか、レブロンはサンズ戦後にそう漏らし、思うようにいかないもどかしさを露わにしていた。
レイカーズは現在、新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りのためエイブリー・ブラッドリー、マリーク・モンク、ケント・ベイズモア、オースティン・リーブスが離脱中。さらにアンソニー・デイビスが左ヒザの内側側副靭帯捻挫のため最低4週間の離脱、ケンドリック・ナンはヒザの痛みにより今季まだ出場できていない。
チームは17日にアイザイア・トーマスと10日間契約を締結。32歳の小兵ガードは3試合で平均11.7点をあげるも、フィールドゴール成功率32.4%、3ポイント成功率26.3%と効果的とは言えず、3連敗に陥っている。
「全員が揃っていない今、このメンバーでどうやって評価できるんだ? 同じ先発陣で前回いつプレーしたのか、ベンチから出てくる選手たちも含めて同じローテーションを組むことができたのか、俺でさえ思い出せないんだ。長い時間がかかっている。だから今、評価するのは難しい」
レブロンがそう口にしていたように、レイカーズは今季32試合で17パターンの先発ラインナップを起用しており、この数字はリーグ最多。ケガ人やプロトコルによる離脱はどのチームにも起こり得ることとは言え、新戦力を多く抱えるレイカーズには特に影響が大きい。
「彼ら(サンズ)はフルメンバーが揃っていた。だが俺たちはそうじゃない。だからチームとしての現在地を見極めるのが難しいんだ」とレブロンは言う。
レイカーズはデイビスが復帰するまで、当分はレブロンとラッセル・ウエストブルックを中心に戦っていくこととなる。もっとも、ウエストブルックは「俺はすごく楽観的に見ている」と、レブロンとは異なる見解を持っているようだ。
「俺たちはチームとして、ここまですでに多くのことを経験してきた。俺からすれば、今のところは激しい浮き沈みを味わっている。でもそれがNBAのシーズンというものなんだ。一番大切なのは、チームとして一丸であり続けること。絶対に分裂したり、パニックに陥ったり、外野の声に惑わされてはいけない」
レギュラーシーズンがまだ半分以上残っている段階で、レイカーズは未完成ながらもプレーオフ進出圏内にいる。レブロンがチームとしての完成度に不安を抱いているなかで、この位置は決して悪くないと見ることもできる。
「何が起ころうとも、しっかりと結びついてチームであり続けること、そして一丸となって戦う方法を見つけ出すこと」というウエストブルックの言葉通り、互いをリスペクトして連携を深めていくことで、浮上の目は見えてくるだろう。その過程で、チームにとってプラスの面、マイナスの面を判断し、必要に応じた策を講じていくことが、後半戦の反撃につながるのではないか。
文●秋山裕之(フリーライター)
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