偉業達成間近も「カリーの3ポイント記録は100%破られる」とグリーンが語る理由とは<DUNKSHOOT>
ここまで21勝4敗(勝率84.0%)という好成績を残し、リーグ首位に君臨しているゴールデンステイト・ウォリアーズ。その原動力が、シーズンMVP級のパフォーマンスを披露しているステフィン・カリーであることは間違いない。
2016年以来、6シーズンぶり3度目のMVP受賞も期待されているカリーだが、もうひとつ注目されていることがある。それは、通算3ポイント成功数での歴代1位浮上だ。現在トップに君臨するレイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)の記録が2973本で、カリーは現地12月8日(日本時間9日、日付は以下同)を終えた時点で2964本。今季のカリーは1試合あたり5.5本の3ポイントを沈めているため、単純計算で言えばあと2試合で首位に立つことになる。
アレンが1300試合に出場してその本数を積み上げたのに対し、カリーはわずか786試合。この数字を比べただけでも、カリーがいかに驚異的なペースで3ポイントを決め続けたかがわかるだろう。
ただ、カリーの同僚であるドレイモンド・グリーンは、カリーの記録もいずれ抜かれると予想しているという。『The Volume』内で自身がホストを務めるポッドキャスト『The Draymond Green Show』において、グリーンはその理由をこう説明した。
「ステフ・カリーの3ポイント記録は100%破られるだろう。彼が現役を引退してから、おそらく誰かが5、6年で塗り替えるかな。トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)はNBA入りしてから1試合あたり約6、7本の3ポイントを打っている。ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)もそう。ステフ・カリーはNBA入りしてから2、3本しか打っていなかったが、それは今とまったく違うゲームだったからだ。これが理由さ」
名前の挙がったヤングはルーキーイヤーから平均6.0本の3ポイントを放ち、2年目には9.5本を記録。ミッチェルも1年目から平均7.0本も打っている。一方、カリーはキャリア最初の3シーズンはそれぞれ4.8本、4.6本、4.7本と、現代基準で言えば控え目な数字。キャリア初期のスタッツに差があるために、最終的に誰かがカリーの記録を抜くとグリーンは考えているようだ。
カリーの1~3年目の3ポイント試投数が少ないのは、グリーンが「今とまったく違うゲーム」と評したように、彼がNBA入りした2009年頃はまだ“3ポイント絶対主義”ではなかったからだろう。グリーンはかつてのリーグをこう回想している。
「最初に優勝した頃(2015年)を思い出すと、チャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)やメディアの連中はみんなこう言ってた。『ジャンプシュートを多用するチームは勝てないから、彼ら(ウォリアーズ)も絶対に勝てない。彼らはジャンプシュートチームで、3ポイントが多すぎる』とね」
しかし2015年にウォリアーズがリーグ制覇を成し遂げたことで、3ポイントを重視する戦術は一気に浸透。グリーンも「ステフ・カリーとクレイ・トンプソンの活躍によるところが大きい」と話したように、彼らが現代バスケのトレンドを作り出したのは間違いない。
おそらく近日中に通算3ポイント成功数でトップに立つであろうカリーは、いったいどこまで記録を伸ばすことができるのか。そして彼の背中を見て育ったプレーヤーのなかから、その記録を再び更新する者は現われるのか。楽しみに待ちたいところだ。
構成●ダンクシュート編集部
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