
大谷翔平(Photo by Diamond Images / Getty Images)
来年3月に開幕を迎えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。栗山英樹監督が率いる日本代表は、メジャーリーグの有力選手や国内の有望選手の参加が明かされており、“史上最強”チーム結成の様相を見せている。サッカーワールドカップでは日本代表が躍進し国民を熱狂の渦に巻き込んだが、野球界でも再びフィーバーが起こるのか。今回は注目のメンバー30人を投手、野手それぞれで予想しつつ、侍ジャパンの見どころについて言及していきたい。(文・井本佳孝)
最強ローテ結成か
(Photo by 33ft)
投手の最大の目玉はダルビッシュ有と大谷翔平というメジャーリーグでも実績を重ねる2人の参戦である。2022年シーズン、ダルビッシュ有はローテーションを守り抜き、16勝8敗、防御率3.10とMLBでは2012年に並ぶ自己最多の勝ち星を記録した。36歳を迎えたシーズンながらサンディエゴ・パドレスのエースとして君臨した。日米で数々の記録を積み重ねてきたベテランは、投手陣を支えるリーダーとしての役割も期待され、現役MLBエースの一挙手一投足は、NPBの選手たちにとって教科書となるだろう。
また大谷は、昨年に引き続き二刀流としてフル稼働しアメリカを席巻。投げては15勝、打っては34本塁打で規定投球回と規定打席のW規定を達成した。大谷の参加表明によりWBCの注目度はイチローが参加し連覇を果たした2006年、09年大会を凌駕する可能性もありえる。日本ハム時代からの師弟関係を築く栗山監督の下で、日本が誇る2枚看板がどのような役割を担うか。大谷の起用法と活躍が日本の世界一奪還に向けてカギを握ってくるのは間違いないだろう。
また、プロ野球で実績を重ねる面々もメンバー入りが期待される。2年連続MVPを受賞した山本由伸や、完全試合を達成した佐々木朗希らはメンバー入り当確が報じられている。将来のメジャー入りも期待される2投手がダルビッシュ、大谷らと“夢のローテ”を組むことも考えられる。さらに、抑えにも2022年の新人王を獲得した大勢や、東京五輪を経験した栗林良吏といったメンバーが候補として控えており、百戦錬磨のベテランから生きのいい若手まで、豊富な選手層を誇るのが日本の投手陣である。
選出期待の“隠し球”
野手ではシカゴ・カブスの鈴木誠也が参戦を表明し、日本の主軸としての働きが期待される。鈴木とともに、今季NPBで三冠王を獲得した東京ヤクルトスワローズの村上宗隆や、福岡ソフトバンクホークスの主砲、柳田悠岐らと強力クリーンナップを組むことが予想される。また、二刀流の大谷がDH起用となれば、上位打線含めて多彩な攻撃陣を揃えることができるのが今回の代表の強みである。
また、栗山監督の“隠し球”として選出が期待されているのがセントルイス・カージナルスでプレーするラーズ・ヌートバー。2021年にメジャーデビューを果たした25歳の外野手は、2022年シーズンは出場機会を増やし、14本塁打と飛躍した。母親が日本人であるヌートバーは日本代表入りの資格を満たしており、11月に提出した予備登録リストのメンバー入りしている。最終メンバー入りとなれば侍ジャパンでは初の日系メジャー選手となり、鈴木とのメジャー外野手コンビが実現すれば、その存在は世界一に向けてプラスとなるだろう。
ほかには正捕手候補として期待がかかるソフトバンクの甲斐拓也や、2年目で横浜DeNAベイスターズの4番に定着した牧秀悟、今オフFAでソフトバンクに移籍した近藤健介らは選出が濃厚と見られる。さらに、内野の複数ポジションをこなせる源田壮亮や、日本球界きっての俊足を誇る周東佑京といった選手もスーパーサブとしてメンバー入りが期待される。東京五輪での金メダルを経験したメンバーもおり、質、量ともに申し分ない面々が名を連ねることが予想される。
アメリカとの優勝争いか
(Photo by ronniechua)
日米から豪華メンバーの集結が予想される今回の侍ジャパンは、“史上最強”と呼ぶに相応しい選手たちが集結する。現役メジャーリーガーのダルビッシュや大谷、鈴木の参戦で、イチローや松坂大輔らを擁した第1回、第2回に匹敵する盛り上がりも期待できる。2大会連続ベスト4で敗退からの復権を目指す栗山監督率いる侍ジャパンは、選手のクオリティーとスター性を兼ね備えるスター軍団で、同じく現役メジャーリーガーが続々参戦を表明するアメリカらと世界一を争うことになるだろう。
1月に正式発表される日本の最終メンバーは、30人が選出される。ダルビッシュ、山本、佐々木という日米の最強投手を村上や鈴木が支え、大谷という日本が世界に誇る二刀流選手の存在もある。侍ジャパンが日本を再び熱狂の渦に巻き込むことになるのか。世界一奪還をかけた戦いに向けて、栗山監督率いる史上最強ジャパンがベールを脱ぐことになる。
(次のページ「予想メンバー」へ続く)
投手予想メンバー
ダルビッシュ有(パドレス)
大谷翔平(エンゼルス)
山本由伸(オリックス)
戸郷翔征(巨人)
今永昇太(DeNA)
佐々木朗希(ロッテ)
青柳晃洋(阪神)
宮城大弥(オリックス)
伊藤大海(日本ハム)
湯浅京巳(阪神)
宇田川優希(オリックス)
大勢(巨人)
栗林良吏(広島)
松井裕樹(楽天)
野手予想メンバー
捕手
甲斐拓也(ソフトバンク)
中村悠平(ヤクルト)
森友哉(オリックス)
内野手
坂本勇人(巨人)
山田哲人(ヤクルト)
山川穂高(西武)
牧秀悟(DeNA)
村上宗隆(ヤクルト)
岡本和真(巨人)
源田壮亮(西武)
周東佑京(ソフトバンク)
外野手
柳田悠岐(ソフトバンク)
鈴木誠也(カブス)
近藤健介(ソフトバンク)
塩見泰隆(ヤクルト)
ヌートバー(カージナルス)
Follow @ssn_supersports