MLB「51-51」を達成した試合で見せたユニコーン大谷翔平の「人間力」
大谷翔平(写真:AP/アフロ)
9月20日、MLB「マーリンズ対ドジャース」の一戦が行われ、4-20でドジャースが勝利した。
ポストシーズン進出を決めたこの試合では、1番指名打者で先発出場した大谷翔平が6安打10打点3本塁打2盗塁を決め「51-51」を達成させるなど「伝説の1日」ともいえる大活躍を見せた。
「伝説の試合」で見せた大谷翔平の人間力
自身初となる3連続本塁打はもちろん、6安打10打点2盗塁といった記録も異次元だった大谷。
誰もがその圧倒的なプレーに酔いしれた1日となったが、その時間の中には大谷らしい優れた人間力を見せた瞬間も複数回あった。
まずは7回に見せた50号本塁打の場面だ。
球場総立ちとなった50号本塁打を放ち雄たけびを上げながらベンチに戻った大谷。
チームメイトや監督からの祝福を受けベンチに腰掛けたが、カーテンコールが起こったことでベンチから出てファンに手を挙げて応えた。
しかし、時間をかけ派手に手を挙げて応えるのではなく、どこか控えめで、時折り相手守備陣とベンチに「試合の進行を遅らせてすまない」と気を使いながら手短に済ませたのだ。
常に相手チームに対するリスペクトを持ちプレーしている大谷らしい場面だったといえるだろう。
さらに51号本塁打を放った場面でも大谷の人間力が垣間見えた。
9回の第6打席で相手投手(点差が開いているため普段は内野手をしているビダル・ブルーハンが投手を務める)が1球目を投げようとした瞬間、大谷は打席を外しブルーハンに投球をやめるよう手で合図を送った。
大谷は視界の端に観客が試合に影響の出る行動をしている姿を捉えたため、安全に試合が進められるように試合を止めたのだ。
仕切り直したその打席で3打席連続となる51号本塁打を放った大谷だったが、50号本塁打のような雄たけびは上げず、比較的静かにベースを1周したのだ。
これは、すでに試合が決まり野手であるブルーハンが敗戦投手として投げているための配慮だった。
普通の人間ならば、浮かれてしまいそうな日だが(普通の人間は実現させられない記録だが)、大谷は喜びを感じながらも相手チームへのリスペクトを忘れず行動していた。
まさに心身ともに完璧な「ユニコーン」であるといえるだろう。
最後に1つ多くの人が忘れていることを伝えておこう。
信じられないことにこのメジャー屈指の打者大谷は「リハビリ中の投手」でもあるのだ。
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