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深夜2時過ぎまで続いた15時間以上の大交渉!”デッドライン”1日延長でようやくロックアウト解決となるか<SLUGGER>

コミッショナーのマンフレッドもこの日は本腰を上げて参戦。決定したのはプレーオフ出場枠のみだったが、ロックアウト解除に向けて前進したのは間違いない。(C)Getty Images
昨年12月2日から始まったメジャーリーグのロックアウト。FAやトレードなどあらゆる交渉がストップし、文字通り空虚な日々が3か月近く続いていたが、通常開幕の“デッドライン”と言われていた2月28日(現地)になって、ようやく解決へ向けて光が差し込んできた。

この日まで7日連続で話し合いを行なってきたMLB機構と選手会。フロリダ州ジュピターで午前10時からスタートした8日目の交渉は、深夜2時過ぎまで実に15時間以上(!)に及んだ。

双方の代表やコミッショナーのロブ・マンフレッドは、両陣営を何度も行き来し、そのたびに数々の提案を行なってきた。その内容は多岐にわたるが、中でも大きな焦点となったのが「プレーオフ出場枠」についてだ。

現行のフォーマットでは、地区優勝3チームに加えて2位以下の勝率上位2チームの5チーム、両リーグで10チームがプレーオフ出場権を手にしていた。双方とも今回の労使協定で出場枠を増やすことについては共通していたのだが、さらなる収益拡大を狙うオーナー側は14チーム、選手会側はレギュラーシーズンの価値を担保する意味でも12チームとしていた。

そこでオーナー側は、同じく重要議題となっていた最低保証年俸と、年俸調停権未取得の選手へ活躍度に応じて支払うボーナスプールを抱き合わせにして以下の2つの提案を出した。

【A】
プレーオフ:14チーム
最低保証年俸:最大70万ドル
ボーナスプール:総額4000万ドル
【B】
プレーオフ:12チーム
最低保証年俸:最大67.5万ドル
ボーナスプール:総額2000万ドル

【動画】選手会代表・シャーザーも参戦! 圧倒的オーラがこれだ この2つの案をめぐって何度もやり取りが重ねられ、最終的に合意に至ったのは12チームへの拡大。もっとも、機構側の「抱き合わせ案」がすべて受け入れられたわけではない模様で、最大の争点である「ぜいたく税の課税ライン」とともに結論は持ち越しとなった。

「我々は大きく前進した。すべての可能性を出し尽くしたい」。MLBの代表がこうコメントしたように、デッドライン当日になってようやくMLB機構と選手会が妥結へ向けて大きく近づいたのは確か。1日東部時間午後5時までに妥結すれば、予定通り3月31日に開幕できる見通しが立った。

最低保証年俸、ボーナスプール、ぜいたく税課税ラインについて、両者はまだ大きな隔たりがある。それでも、選手会側はメジャー3年未満でも調停権を得られる「スーパー2」枠の拡大、オーナー側もぜいたく税超過のペナルティ厳格化をそれぞれ取り下げた。頑なだった両者が土壇場で態度を軟化させたことは、確かに前身の兆しと言えるだろう。

2022年のシーズン開幕を左右する”運命の一日”がもうすぐ始まろうとしている。

構成●SLUGGER編集部

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