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楽天・西川遥輝、新天地デビューも2打数無安打。石井監督「今は自分の調整のひとつ」

石井監督(左)は、西川(右)に大きな信頼を置いているようだ。写真:岩国誠
今季から楽天でプレーする西川遥輝が2月15日、ロッテとの練習試合に「1番・左翼」で先発出場。新天地での実戦デビューを果たした。

「いい緊張感でできました」

新天地で迎えたプロ12年目。シーズン初実戦は心地よい緊張感の中で、自分の状態を確認。結果は2打数無安打だったが、一つの段階は踏めた。

「シーズンと変わらないイメージで振っていましたし、今の自分がどの段階かっていうのは知れたので。いい調整をというよりも、結果を残して試合に出られるようにしたいので、いい準備をしながら技術面も上げていければと思います」

この日の試合出場を、西川本人が知ったのは前日の14日。石井一久監督からの提案を受けてのことだった。

「(出場イニングなどを)決めていたわけではないが、打席での球筋をもうそろそろ見てもいいかなと思って、どうするって話をした時に『出ます』となりました。キャリアのある選手なので、結果を残してっていうのは、あまり考えていないです。今は自分の調整の一つとして、試合の中で、打撃投手ではないボールを見るということが、大事な時期なのかなと思います」

結果としてはノーヒットだったが、指揮官は新加入のベテランに全幅の信頼を寄せていた。
3回で退いた西川に代わって、左翼の守備についたのは、遊撃が専門の小深田大翔。この起用は守備シャッフルが話題となった日本ハムのBIGBOSS・新庄剛志新監督に影響された……と、いうわけではなかった。

「外国人選手が加入することを想定しています。補強できた時には、去年よりベンチに置けるメンバーが、ちょっと少なくなってくると思うので、役割が多くなってくる選手が増えてくる。そこでショート、セカンドができたり、レフトができたりとか。山﨑にしてもそうですが、そういうところをまかせたいと思います」

今年から延長戦が復活。延長12回まで戦うとなった時、限られたベンチ入りメンバーでどう戦うのか。シーズンを見据えた石井監督の準備の一環だった。

ユーティリティプレーヤーに“抜擢”された小深田は、この日3安打と大当たり。一昨日の試合でも2安打と打撃で好調ぶりをアピールしたほか、慣れない左翼の守備で、3つの飛球をさばいて見せた。急遽の起用に応えた小深田を、指揮官は評価した。

「打撃はしっかりと強いコンタクトができている。しっかりライナー性の打球を打てているなと思います。また、レフトフライの練習もなかなかしていない中で、いいライン取りをして、しっかり捕球できていたので、(小深田にとって)いい1日になったんじゃないかなと思います」

この日は西川の起用があったものの、石井監督には、若い選手たちをもう少し見てみたいという考えがあり、しばらく若手中心の選手起用をしていく予定だが、物足りなさを感じている。

「今は、それなりに試合に出ている選手がヒットを打っている。(渡邊)佳明もそうだし、小深田にしてもそう。もうちょっと『自分、います!』っていうアピールをしてもらわないと、ちょっと一軍に残るのが厳しくなる。主力が出てくるまでに、ある程度アピールというものをして欲しいと思います」

この日は、和田恋が2試合連続ホームランを放ち、先発・鈴木翔天が3回無安打4奪三振と猛アピール。果たして彼らに続く選手が、主力が戻ってくるまでの間にどれだけ現れるか。

取材・文●岩国誠

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