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【どこよりも早い2022ドラフト候補ランキング:21~30位】遅咲き社会人左腕に加え北海道、北信越の注目高校生投手も登場<SLUGGER>

長谷部(左)は大学から社会人に進んで大きく成長した。長身右腕・茨木(右)はポテンシャルの高さが魅力だ。写真:西尾典文
2021年のドラフト会議からまだ2か月も経っていないが、アマチュア球界はすでに22年のドラフトへ向け動き出している。昨年秋以降で急成長を遂げた選手も少なくない。昨年は現地で400試合以上アマチュア野球を取材したスポーツライターの西尾典文氏が、現時点での22年ドラフト候補ランキングを選定した。今回は21~30位だ。

▼21位:長谷部銀次[投手・トヨタ自動車]
(はせべ・ぎんじ/左投左打/中京大中京高→慶応大)

社会人で開花しつつある遅咲きの本格派サウスポー。慶応大では故障でわずかな登板に終わったが、素材の良さが評価されてトヨタ自動車に進み、昨年はリリーフで経験を積んだ。肩の可動域が広く、豪快な腕の振りから繰り出す140キロ台後半のストレートは威力十分。都市対抗でもチームは初戦で敗れたが、リリーフで好投を見せてアピールした。

タイプ診断:遅咲き、本格派サウスポー

▼22位:荘司康誠[投手・立教大]
(しょうじ・こうせい/右投右打/新潟明訓高)

東京六大学でも屈指のスケールを誇る大型本格派右腕。下級生の頃は怪我に苦しみ、リーグ戦デビューは3年春にずれ込んだが、いきなり150キロを超えるスピードをマークして観衆を沸かせた。リーグ戦未勝利と実績は乏しいものの、フォームに悪い癖がなく制球力もあるだけに、春には大ブレイクに期待したい。

タイプ診断:スケール大

▼23位:片山皓心[投手・Honda]
(かたやま・ひろみ/左投左打/日立一高→桐蔭横浜大)

抜群の安定感が光る社会人を代表するサウスポー。高校時代は無名だったが、大学で急成長を遂げて4年秋は横浜市長杯の3試合を一人で投げ抜き、チームを優勝に導いた。Hondaでも1年目からエースとなり、フル回転の活躍を見せている。都市対抗では長いシーズンの疲れからか本来の出来とは程遠い内容だっただけに、春は完全復活を期待したい。

タイプ診断:制球力◎、先発タイプ
▼24位:仲地礼亜[投手・沖縄大]
(なかち・れいあ/右投右打/嘉手納高)

昨年の大学選手権ですい星のように現れた地方リーグの本格派右腕。初戦で名城大に0対1で敗れたものの、最速149キロをマークしたストレートを武器に自責点0と見事な投球を見せた。まだ細身だが欠点のないフォームで素質の良さは抜群。今年も再び大舞台で快投を見せれば、高い順位でのプロ入りも見えてくるだろう。

タイプ診断:赤丸急上昇

▼25位:高坂綾[投手・千葉経済大]
(たかさか・りょう/右投右打/流経大柏高)

千葉リーグで秋に急浮上してきた本格派右腕。高校時代から県内では評判の存在だったが、大学でも順調に成長を遂げている。140キロ台後半をマークするストレートだけでなく、スライダー、カットボールなど変化球の質も高い。昨年秋はチームを初の横浜市長杯出場に導き、初戦でサヨナラ負けを喫したものの10.1回を自責点2と好投した。▼26位:斉藤優汰[投手・苫小牧中央高]
(さいとう・ゆうた/右投右打)

北海道ではナンバーワンの呼び声高い高校生の大型右腕。190センチ近い長身だが、投球のバランスは良く、高い位置から腕を振ることができている。秋の地区予選では140キロ台後半をマークして注目を集めた。春の活躍次第では一躍、全国でも注目を集める存在になる可能性もあるだろう。

タイプ診断:将来性◎

▼27位:加藤三範[投手・ENEOS]
(かとう・みづき/左投左打/花巻東高→筑波大)

社会人でも屈指の安定感を誇る大型左腕。大学時代は肘の故障もあって3年以降は停滞したが、ENEOSで見事に復活を果たした。ゆったりしたフォームはバランスが良く、わずかに腕が遅れて出てくるのも持ち味。現在は140キロ台前半が多いが、体格に見合うスピードが出てくれば、一気に人気を集めることも考えられる。

タイプ診断:大型左腕、まとまり◎

▼28位:青山美夏人[投手・亜細亜大]
(あおやま・みなと/右投右打/横浜隼人高)

潜在能力の高さが魅力の大型右腕。1年秋から投手陣の一角に定着すると、2年秋には先発、リリーフの両方をこなして最優秀防御率にも輝いた。昨年は期待されながらももうひとつの成績に終わったが、高い位置から投げ下ろす角度のある140キロ台後半のストレートは大きな魅力で、最終学年での開花が待たれる。

タイプ診断:未完の大器
▼29位:高野脩汰[投手・日本通運]
(たかの・しゅうた/左投左打/出雲商高→関西大)

豪快な腕の振りが魅力の社会人サウスポー。関西大では森翔平(三菱重工West→広島2位)と二枚看板として活躍し、明治神宮大会でも好投を見せている。社会人1年目の昨年は大事な試合での登板はなかったが、随所に存在感を見せた。スピードとコントロールを備えた貴重なサウスポーだけに、今年の活躍次第では急浮上も期待できそうだ。

タイプ診断:豪快な腕の振り

▼30位:茨木秀俊[投手・帝京長岡高]
(いばらき・ひでとし/右投右打)

北信越では同じ新潟の田中晴也(日本文理/ランキング5位)と並んで注目を集めている大型右腕。長身だが身のこなしが軽く、フォームの流れがスムーズで楽に腕を振ることができる。140キロ台前半のストレートはまだまだ速くなりそうな雰囲気があり、変化球のレベルも高い。北信越大会では初戦で松商学園に敗れたものの、8回を3失点、9奪三振の好投を披露した。

タイプ診断:将来性◎

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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