楽天の新助っ人・マルモレホスってどんな選手? 確かな成長で今季“3Aの帝王”に君臨した「苦労人」のスラッガー<SLUGGER>
連日、新外国人獲得のニュースが話題を呼んでいるプロ野球のストーブリーグ。12月7日には、今季パ・リーグ3位に終わった楽天がホセ・マルモレホスとの契約合意を発表した。
左投左打のマルモレホスは来年1月に29歳を迎える外野手だ。過去2年はマリナーズでプレーし、計76試合に出場した。昨季は打率.206、6本塁打、OPS.672、今季も打率.160、4本、OPS.574と、メジャーでは活躍できなかった。だが、楽天以外にも日本ハムをはじめ複数球団が獲得調査をしたのにはもっともな理由がある。
マルモレホスは、言うなれば“3Aの帝王”とも言うべき実績を残している。2019年は101試合で打率.315、OPS.902をマークし、今季は83試合で打率.338、出塁率.439、長打率.672はいずれもリーグトップの“裏三冠王”を達成。当然、OPS1.111も1位で、MVPに選ばれている。
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以前は中距離型に近かったマルモレホスだが、年齢を重ねるごとにパワーを身に着け、19年に3Aでの425打席で18本塁打を放つと、今季は70打席も少ない中で26発と大きく数字を向上させた。これは何も偶発的なものではなく、マリナーズのスコット・サーバイス監督が「数字を見れば、彼が別のステージに上がったのは明らか」と語ったように、各種データからも成長がうかがえる。
マルモレホスが今季メジャーで記録した最高打球速度はMLB全体でも上位10%に入る水準。また、フライ打球率もこれまでと比べてかなり上昇し、四球率も10%を超えるなど、より「純然たるスラッガー」に近い打者へ変貌しつつある。
ただ、その代償として空振りや三振も増えているのも事実。この点が日本にどう対応するかが活躍のカギになりそうだ。守備は一塁と外野両翼をこなすが、決して得意分野ではない。バットでの貢献がすべてと言っても過言ではないだろう。
9年間のマイナー生活を経て、昨年の開幕戦でメジャーデビューを果たし、2試合目で初ヒット。二塁打性の打球を打つも、相手守備に騙されて二塁到達前にアウトにされる“お茶目”なところもある。それでも、長年の苦労を通して培ったハングリー精神が日本でも発揮できれば、チーム待望の長距離砲として活躍してくれるに違いない。
構成●SLUGGER編集部
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