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凱旋会見で大谷翔平が見せた「人間力」。相手の目を見て話を聞き、当意即妙の返しで“関係のない”質問もフォロー

なぜ大谷が“凄い”のか。凱旋会見で見せた姿勢に、その一端を垣間見た。(C)Getty Images
やはり、この男は別次元の存在だな、と思わせた会見だった。

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ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は11月15日、日本記者クラブで2018年以来、およそ3年ぶりの会見を開き、“さまざま”な質問に答えた。

フィジカルの成長が活躍につながった、印象に残った投手では、以前から憧れていたマックス・シャーザーとオールスターの舞台で対峙したなど、今季のプレーに関するものもあった。

しかし、高額納税者から見た日本とアメリカの税制、今は在籍していない日本ハムについて、まだメジャー挑戦が決まっていない鈴木誠也(広島)の話題など、彼の今シーズンの偉業とは無関係なものも散見された。

司会が最初に訊ねた内容はこの4年間の歩みについてだったが、実に1分近くを要し、会見をアメリカから見ていた『Fox Sports』のベン・バーランダー記者も「質問が長すぎる」とあきれていたほどである。

しかし、球史に残る偉才は、ここからがすごかった。
語りが終わるやいなや、大谷は「ちょっと質問が長かったんですけど……(笑)」と切り出した。場内はワッと笑いが起き、質問者を救って見せた。

そして何より、大谷の会見での「態度」が素晴らしかった。先のような話の長い質問にも、しっかり耳を傾けて自らの考えをまとめ、質問者に対しては顔と身体を向けて答える姿勢は、大谷という選手の人間性がよく現れていたシーンだったように思う。

ある女性記者に「うまく行かない時に愚痴を言ったりするのか?」と問われると、“オオタニスマイル”でニッコリしながら、自身も落ち込むこともあることを明かした。野球は失敗のスポーツと言われる。いい打者でも打率3割、つまり10回に7回はヒットが出ないわけだ。そのなかで、いかにミスを引きずらずに6か月以上の長きにわたるシーズンを戦い抜かなければならない。

最後まで成績を残し続け、そしてメンタルを保ち続けてはじめて、シーズン最優秀選手=MVPの土俵に上がることができる。おそらく、大谷にとってこの1時間の会見すべてが楽しかった、充実したものだったとは思っていないだろう。しかし、それでも嫌な顔ひとつ浮かべず、“完走”してみせた。

彼の素晴らしい人間力は今季に限った話ではない。しかし、好成績の裏側にあった「何か」を、会見の振る舞いで垣間見せてくれたように思う。

構成●THE DIGEST編集部

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