FAとなれば争奪戦は必至!“虎の女房”梅野隆太郎が阪神のV奪回のキーマンとなる理由
虎の女房役が注目されている。
11月14日、日本野球機構(NPB)は、2021年度のフリーエージェント(FA)有資格選手を公示した。国内FA権保有選手は40人で、海外FA権保有選手は57人となり、広島の大瀬良大地、九里亜蓮や、中日は又吉克樹、ソフトバンクの千賀滉大らが、新たに権利を得た。
そのなかで注目されているのが、阪神タイガースの正捕手・梅野隆太郎だ。2013年に福岡大学からドラフト4位でプロ入りを果たした30歳は、2017年シーズンに本格的に定位置を確保して以来、熱心な虎党からの信頼も厚い捕手へと成長した。
前半戦に怒涛の快進撃を披露した今季の阪神にあっても、その存在感は欠かせないものがあった。チームが16年ぶりのリーグ優勝を目指していた10月に出場機会が減り、12日の巨人戦(東京ドーム)以降、11試合連続で坂本誠志郎にレギュラーの座を譲った。だが、東京五輪にも出場し、125試合でスタメンマスクを被った実力者である彼の経験値を流出するのは、矢野燿大監督が「もっともっと強いチームになっていけるように」と語る来季に向け、間違いない痛手だ。
梅野の貢献度は攻守両面にある。とりわけ今季は打撃で勝負強さを発揮し、得点圏打率はリーグ2位の.321をマーク。さらにOPS.603、出塁率.303と主に下位打線を打つ打者としては頼もしい成績を残した。
守備面ではリーグの捕手で最多の失策数(6)を記録するなど、定評のあった例年よりもミスが目立った感が否めない。それでも安定感のあるブロッキング能力や「梅ちゃんバズーカ」と称される強肩、加えて20代が多い投手陣を引っ張るリーダーシップは、いまだ坂本ら控え捕手に勝るものがある。
もしも、FA権を行使すれば、セパともに争奪戦は必至。はたして、梅野は愛着のある阪神に残留するのか——。その去就は、悲願のV奪回を目指す矢野阪神の来季も占うだけに大きな話題を集めそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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