ことしの全英は“リトルアイ”に注目? 新設17番が終盤にドラマ「外してボギーで上がれたら幸運だね」
<全英オープン 事前情報◇18日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>
今季最後の男子メジャーの舞台はロイヤルリバプールGC。通称『ホイレーク』の愛称で親しまれる同クラブは創設1869年という長い歴史を持つ。近年では1967年以来39年ぶりに同コースで開催された2006年大会ではタイガー・ウッズ(米国)が勝利。前回の14年大会はローリー・マキロイ(北アイルランド)が制覇した。
今年9年ぶりの開催となるコースには数ホールの改造が加えられ、全長は前回よりも71ヤード長い7383ヤード。さらにパー72から71へと変更された。10番は前回の532ヤードから507ヤードと短くなったがパー5がパー4へ。15番パー3はパー5となり620ヤードと大改造が施された。なかでももっとも注目を集めているのが、まったく新しく作られた17番パー3(136ヤード)だ。
アイリッシュ海へ向かって打つティショットは、打ち上げでグリーン面が見えないブラインドショット。グリーンは全体が外側に傾斜し、左右にバンカーが待ち受けている。グリーン奥には荒れた砂地、傾斜の大きいグリーン手前には左側にバンカー、右にはネイティブエリアが広がっている。見た目よりもグリーンを捉えることがずっと困難なことから、「リトルアイ」と名付けられた。
わずか136ヤードと距離は短いが、アゲンストの風が吹けば7〜5番アイアンを手にする可能性もある。一方フォローの風だと、グリーン上で止められるかというスリルと戦う。グリーンがやわらかいなど、その状態によってはスピンコントロールが求められる。
前年覇者のキャメロン・スミス(オーストラリア)は、「月曜の練習ラウンドではアゲンストで7番アイアンを打った」と明かす。「今週は風向きがフォローになりそうだが、手前ピンならもっと難しくなる」と警戒する。ジョン・ラーム(スペイン)は、「距離は短いがグリーンを外したら必ずボギーだね。むしろボギーで上がれたら幸運かもしれない」と大叩きもあると説明。しかし「いいショットを打てばバーディも取れる素晴らしいホール」と賞賛した。
「主催するR&AがロイヤルリバプールGCに『終盤にドラマが起きるホールを』と望んだ。そうしてこのホールが作り上げられた」と改造を手がけたマーティン・エバート氏は明かす。オーガスタ・ナショナルGCの12番パー3、あるいはTPCソーグラスの17番パー3のように、歴史に残るドラマが待っているかもしれない。
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