キャプテンを継承したオヤルサバル、レアル・ソシエダの躍進には「完全復活」が必要不可欠
写真:オヤルサバル(ムツ・カワモリ/アフロ)
2013-2014シーズン以来遠ざかっていたCLの舞台にレアル・ソシエダが戻ってきた。
ラ・リーガでは長らくレアルやバルサ、アトレティコ、ビジャレアル、セビージャなどの壁に阻まれていたが、ようやく4位を確保しCLへの切符を手にした。
日本代表MF久保建英がその偉業に大きく貢献したのは間違いないが、ソシエダが目指すのは「CL出場」ではなく「決勝トーナメント進出」だ。
その目標を達成させるためには、完全復活しなければならない選手がいる。
それが「オヤルサバル」だ。
左膝の前十字靭帯の断裂から復帰するも精彩を欠くオヤルサバル
かつてはスペイン代表でもFWのレギュラー候補の1人であったオヤルサバルは、レアル・ソシエダのカンテラ育ちであることから、クラブの象徴として常に期待されてきた。
これまでに出場した公式戦で80得点以上叩きだしており、昨季終了時にはイジャラメンディからキャプテンを継承した。
しかし、キャリアで初めてとなる大怪我(左膝の前十字靭帯を断裂)によって、そのプレーの質はかなり落ちているのも確かだ。
カタールW杯後から復帰し、徐々に出場時間を伸ばしていったが、そのプレーには以前のようなキレが見られなかった。
久保とセルロートの2トップで快進撃を続けていた状態にオヤルサバルが加わることでチームバランスは崩れ、一気に「勝てないチーム」へと変化してしまったのも印象が悪かったといえる。
「あのプレーのクオリティならオヤルサバルはベンチでいいのでは?」
そんな声も多くなっていった。
結局ラ・リーガでは4得点(うち2得点はPK)に終わり、完全復活を印象付けることはできなかったのだ。
レアル・ソシエダ躍進するにはオヤルサバルの復活が必要不可欠
ソシエダには、ダビド・シルバやブライス・メンデス、ミケル・メリーノ、スビメンディ、久保建英など、中盤に代表クラスの選手たちが数多くいる。
ウィークポイントであったSBもレンヌのキャプテンを務めていたアマリ・トラオレを獲得しており、あとはFW陣が奮起すればさらなる躍進が可能となるほど戦力は充実している。
久保は4-3-3の右WGとしてもプレー可能だが、CFと左WGのスタメン候補となるサディクとオヤルサバルには、大きな期待がかかる。
特にオヤルサバルは、強豪クラブと対戦する際に名前負けしないネームバリューを持っている。
キャプテンを務めるオヤルサバルが抜群のパフォーマンスを披露すれば、マークが集中し逆サイドの久保も確実に動きやすくなるはずだ。
もしも新シーズン開幕までに(もしくは開幕後1~2ヶ月の間に)以前のようなキレを取り戻せるようならば、ラ・リーガではトップ3を脅かし、CLでは決勝トーナメント進出するような強さを誇るクラブとなるだろう。
果たしてオヤルサバルのキレは復活するのか、新シーズンのプレーに注目しよう。
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