• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 浅地洋佑が今季自己ベスト『64』で首位発進! 「線も合わせない、素振りもしない」“即打ち”パットが大当たり

浅地洋佑が今季自己ベスト『64』で首位発進! 「線も合わせない、素振りもしない」“即打ち”パットが大当たり

初日、9バーディ・1ボギー「64」と今季ベストスコアで単独首位発進を決めた浅地洋佑(撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 初日◇29日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>

昨年は大不振に陥り、24試合に出場して予選通過は9回、トップ10は0回、賞金ランキング86位で、4シーズン守ってきた賞金シードによるシードを喪失した浅地洋佑。今季は21年「マイナビABCチャンピオンシップ」優勝の2年シードで出場している。

その浅地が初日9バーディ・1ボギーの「64」と今季のベストストロークで回り、8アンダーで単独首位発進を決めた。10番からスタートして、最終9番パー5でバーディを獲れば、2桁の10アンダーに乗るところだったが、「ミスショットです」と3打目をバンカーに入れてボギー。8アンダーに落ちたが、今季のベストフィニッシュが前週の10位タイということを考えれば、上々のスタートには違いない。

にもかかわらず、「ショットは普通でした。パターがめちゃくちゃ入りました。パターが普通だったら、3アンダーとか4アンダーなので、満足はしているんですけど、めっちゃ満足しているわけではない」と、本人は淡々と話す。

「ついたところは全部入りました」。13番パー5の1メートルを皮切りに、ピンに絡んだチャンスをことごとく沈めた。一番長かったのは、4番の4メートル。最後のバーディは8番パー4で、残り155ヤードを8番アイアンでOKの距離につけてのものだった。

パッティング好調の要因について、「適当に打ったら全部入った」といいつつ、「練習ラウンドのときに感触が悪くて、もう(ボールの)線も合わせない、素振りもしない、パッと構えたらパッと打つのがハマりましたね」と、即打ち作戦が大当たり。「23」パットのラウンドにつなげた。

19年にツアー初優勝する前にはパッティングイップスに悩まされた。パッティングに関する本やメンタルの本を読みあさり、ほうぼうに相談してアドバイスを求めた。その結果、「リズムを意識すること。打点を気にしすぎて固まっちゃっていたので、同じリズムでパターできるように」と意識を変えてイップスを克服。その経験もあって、きょうも慎重になりすぎないようにと心がけた。

昨年は不調の原因をスイングに求めて、「いろいろいじくって、それがどんどん悪い方向に」と、自分本来の感覚を失った。このオフは「“当て感”を取り戻せるように」と練習量を増やし、多いときは「球打ちだけで3時間」。その結果、ショットの感覚は「だいぶ戻ってきました」という。

それでも今日は、「ドライバの振り感が一日通して気持ち悪い感じでした。出球が全然違うところに飛んでいっちゃう。右も左も両方ですね」と、14ホール中10回フェアウェイをとらえても、その内容には不安が残る。あすの2日目以降は、「無難にこなせればいいですね。きょうみたいな8アンダーをずっと続けるのではなくて、60台で3日間しっかり回れればいいかな。優勝争いしたいけど、とりあえず明日はおとなしく頑張りたいです(笑)」と自分に高望みはしていない。一歩ずつ着実に、昨年失った自信を高めていく。(文・下村耕平)

関連記事