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女子高校野球全国優勝娘の吉村悠菜が初めての首位争い「優勝するってこんなに難しい」

初参戦してから約1年経った吉村悠菜が初の優勝争いを経験(撮影:鈴木祥)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー 本戦(一日競技)◇1日◇第4戦Sanrio Smile Golf Tournament ◇グリッサンドゴルフクラブ(6431ヤード・パー72)>
 
1イーグル・1バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「73」で10位タイ。吉村悠菜の涙腺は悔しさのあまり崩壊した。ゴルフの試合に初めて出場したのが昨年の同大会。一日競技で大詰めの16番ホールを3アンダーで迎え、その時点で首位。初の優勝争いを演じた吉村だったが、上がり3ホールで4オーバー。優勝をつかむことはできなかった。

「いやー…、もう本当に悔しい! 悔しい…優勝したかった」と涙を流した。前半を1アンダーで終え、後半の11番パー5で2オンに成功し、1パットで沈めてイーグルを奪い人生初の優勝争いの位置へ上がった吉村。
 
だが16番パー3で、ティショットを右のガードバンカーに入れてからリズムを崩した。ダブルボギーを打ち、気持ちを切り替えることができず、続く17番、18番を連続ボギーとした。
 
「16番で右に絶対行きたくないと思っていたら右に打ってしまって、バンカーに入りました」。実は試合前日の練習ラウンドで、同じバンカーからミスショットをしていた。「不安があるなか打ったら、1回で出なくて…気持ちに負けました」と、振り返った。
 
高校卒業後に本格的にゴルフを始めた吉村は、人生初の大会が昨年の同大会だった。そのときの結果は4バーディ・6ボギー・1トリプルボギーでトータル5オーバー31位タイ。1年後に21位も順位をあげられたこと、そして初めて優勝争いができたことに「成長はできているのかなと思います。本当はアンダーで回って上位に行きたかったですが……」と、手応えと悔しさをにじませた。
 
「最近、ショットの調子もよかったし、イーグルを獲ったときに頭にはたくさんの人たちが浮かんで、絶対に勝ちたいと思ったんです。でも勝てなかった。初めての優勝争いで緊張もしたし、意識しすぎてしまってスイングに影響がでました。他にも理由はたくさん浮かんでいます。なので優勝争いを経験できてよかったです。優勝するってこんなに難しいことなんですね」と、優勝の高い壁を痛感。まだ、涙は止まらなかった。
 
その涙にはたくさんの思いが込められていた。3歳でゴルフクラブを初めて握るも、高校時代は新潟県にある開志学園に進み女子硬式野球に専念。2021年に高3で出場した全国高校女子野球選抜大会では優勝を遂げている。「私は4人兄弟の長女なんですが、一番下がまだ小6。お金がいっぱいかかるなか、新潟で寮生活させてくれた親に感謝でいっぱいで…」。ゴルフで親孝行したい気持ちから野球人生を断ち、ゴルフを再開しただけに結果を残せなかった自分への悔しさがつのる。
 
「もうすぐプロテストが始まるので、きょうの経験を生かせるように、しっかり自分を研究して練習もたくさんして、強くなりたい。そして早く応援してくれる周りの人たちに恩返しがしたい。頑張ります」と、最後は涙をぬぐい、気持ちを切り替えるようと立ち上がった。(文・高木彩音)
 
※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。

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