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名参謀とともにセキ・ユウティンが急浮上 首位と7打差も「絶対にチャンスはあると思う」

清水重憲キャディと初タッグを組むセキ・ユウティン(撮影:佐々木啓)

<Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 2日目◇18日◇鹿児島高牧CC(鹿児島県)◇6419ヤード・パー72>

昨季の「ゴルフ5レディス」で日本ツアー初優勝を遂げたセキ・ユウティン。アジアで行われた米国女子ツアーに出場していたため、これが今季の日本初戦になるが、2日目に“ユウティンスマイル”がさく裂した。38位タイからスタートしたユウティンは、7バーディ・2ボギーの「67」で回り、トータル6アンダー・11位タイに浮上した。

この日の7バーディは鶴岡果恋と並ぶ最多バーディ数。「ショットがとても良かった。5ヤード以内のバーディチャンスをたくさん作れました」と笑顔で振り返る。ショットで好機を演出したが、「たくさんいいアドバイスをもらっている」と初タッグを組む清水重憲キャディの存在も大きい。

清水キャディは2015年、16年と圧倒的な強さで2年連続賞金女王を獲得したイ・ボミ(韓国)をサポートし、これまで40勝近い優勝を経験しているベテランキャディである。「イ・ボミさんが強くて、その時に清水さんがキャディをやっていました。必ず何かあると思って、勉強するつもりでお願いしました」。昨年の夏ごろからオファーを出して、ようやく今大会で実現した。

清水キャディのアドバイスは的確だという。「ドローとフェードをどういう状況で打つといいかとか、グリーンの傾斜に合わせてピンに寄りやすい狙いどころを教えてくれたり、クラブ選びだったり。いいコースマネジメントでいろいろ勉強になっています」。この日の18番ホールは、ユウティンが「6番アイアンで打ちたい」と言ったところ、清水キャディからの助言は「5番アイアンにしよう」。気温が低く、普段通りの飛距離が出ていないことが背景にあった。そして結果的にピンハイに乗り、バーディフィニッシュできた。

初タッグを組んだ清水キャディも、ユウティンを絶賛。「ショット力がすごい。半端じゃない。いろんなトップ選手を見てきましたが、女子の中では指折り。ボミプロの全盛期に匹敵するぐらいです」と驚いたほどだ。この日はパー5でカラーからのものも含み3パットが2回あったが、ここについてはまだまだ伸びしろたっぷりと話す。

ユウティンの課題の一つがパッティング。「昨日もショットは良くて、パターが入っていませんでした。きょうは普通ぐらい入りました。パターが良かったらもっといけると思います」。昨年の前半戦は、パッティングのイップスに悩まされていた。後半戦は、その克服のためにグリップを強く握って速く打つパッティングをしていたが、これでは距離感がつかみにくい。そこで現在は一定のテンポで打つリズムに変えている途中だ。「(昨日は)イップスのイメージが少し出てしまい怖かった。きょう(以降)はどんどん良くなると思います。グリップをギュッと握らないとまだ少し不安な感じもある。その面を乗り越えることが課題ですね」。

首位との差は7打と決して小さくはないが「チャンスはあると思います」と胸を張る。「きょうと同じようにバーディをたくさん獲ってボギーを減らしたい。私はバーディをたくさん獲る自信はありますから」。昨季はパッティングに悩みを抱えながらも平均バーディ数は9位(3.4884)。今週は名参謀のおかげで、さらにバーディを獲りやすい状況を作れている。明日の最終日。念願のコンビでセキ・ユウティンの笑顔が見られるか、注目だ。(文・内藤哲)

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