ローマとの第2戦間近、レアル・ソシエダが絶不調に陥った原因と久保建英にできること
写真:久保建英(提供:ムツ・カワモリ/アフロ)
直近9試合で1勝4分4敗。
ラ・リーガ4位のレアル・ソシエダが苦しんでいる。
それ以前は公式戦9連勝をしていただけに、「違うチームになった」といえるくらいすべてが上手くいっていない。
いったいなぜこれほどの絶不調に陥ってしまったのか?
そして日本代表MF久保建英に今できることは何なのだろうか?
オヤルサバル復帰
オヤルサバルは地元のバスク地方出身者でありレアル・ソシエダにとって宝だ。
チームのアイコンであるオヤルサバルが大怪我から本格的に復帰したのだから、スタメンとして出場するのは当然だと言える。
しかし、残念ながらその選択がソシエダの不調の原因となっているのは間違いないだろう。
レアル・ソシエダとしては認めたくないだろうが、この絶不調の9試合が始まったタイミングとオヤルサバルの本格復帰のタイミングはほとんど同じなのだ。
久保、セルロートとの3トップにフォーメーションを変更。
上手くいかず久保を中盤に変更。
前節では久保を外しダビド・シルバをトップ下で起用。
そのどれもが上手く機能しなかった。
懸命のリハビリを経て復帰したオヤルサバルを応援する声も非常に大きかったが、結果がすべての世界ゆえに、「オヤルサバルをスタメンから外すべきでは?」といった声も少しずつ増えてきている。
実際にEL(ヨーロッパリーグ)決勝トーナメント1回戦のローマ戦では、オヤルサバルを外し久保とセルロートの2トップに戻している。
しかし、一度崩れた歯車は、簡単に戻すことは出来ないものだ。
0-2で敗戦し、EL敗退の窮地に追い込まれている。
シーズンが後半に入りチーム全員の疲労が蓄積している
レアル・ソシエダは、強豪クラブではあるが、メガクラブの様な選手層ではない。
シーズン序盤に怪我人続出の状態で戦い続けたツケが、シーズン後半で回ってきたと言ってもいいだろう。
明らかに各選手の動きは悪く、チームとしての連動性はなくなった。
ソシエダは、DFラインから丁寧に繋いでいくスタイルだ。
この戦い方では、1つ1つのプレーの質はもちろん、「3人目の動き出し」がとても重要となる。
いくら丁寧に繋ごうとも、すべての選手が動かずにボールを回していたら、いつまで経っても相手を崩すことができず、エリア内にも侵入することができない。
さらに、3人目の動き出しがなければ、相手はプレッシャーを掛けやすくなる。
マークを剥がされるリスクが低いゆえに、思い切って前にプレスをかけられるのだ。
現在のソシエダは、まさに相手のプレスにハマり多くのピンチを招いている状態だ。
久保建英にできることは、正直なところそれほど多くない。
自身のコンディションを良好に保ち、効果的なプレーを心掛けること、そしてチームメイトとよく話し合い連携を確認しながらプレーするくらいだろう。
チームを変えるには、やはりアルグアシル監督がチームに大きな変化を加えるしかない。
ソシエダが16日に行われるローマ戦でどのような戦いを見せるのか、注目しよう。
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