最高の一瞬『最後のイチロー_イチロー(野球)』
普段メジャーリーグを撮られている日本人カメラマンの方の、お手伝いをしたことがあります。その方がオフィシャルカメラマンだったものですから、僕もオフィシャルカメラマンのビブスを着させていただき、撮影をしました。
イチロー選手が日本での凱旋試合で引退したときのものです。
何でこの1枚にしたか。
イチロー選手が、最後の守備をしに1回外野へ行くんですね。それでそこから選手交代を告げられたんです。
外野からゆっくり戻ってきて、声をかける観客に帽子を取って丁寧に挨拶をします。そうして最後に僕らのカメラのほうにも向かって、こうして挨拶をしてくれたんです。
オフィシャルで入らせてもらっていただけに、試合前のロッカールームとかにも行かせてもらえて、イチロー選手の道具とかいろいろ見ていたので、なんかこのときにぐっときたというか。これで最後なんだなっていうのが僕の中にも突き刺さり、ありがとうという感情がわきました。
イチロー選手はやっぱりスーパースターで、かっこいいなと思いましたね。試合後、セレモニー後の記者会見も撮影で立ち会いましたが、各記者とのやり取りもすごくよかったです。現役としての最後のインタビューだから、手が挙がらなくなるまで全部答えるよって始まって。
「あのときは○○してたよね」「あのときの質問はひどかったよね」とか、そういったやり取りが全部面白かったです。すごく遅くなって、深夜0時を回って1時すぎくらいまでかかったかと思うんですけど、僕はあんまり長いなって思わなかったんですよね。
▼田中伸弥(たなか・しんや)
1977年東京都生まれ。
成安造形大学芸術学部芸術学科写真コース卒業。
日本ジャーナリスト専門学校卒業。
JCII主催水谷塾6期生。
大学でアートとしての写真を学び、その後専門学校でスポーツ写真の基礎を学ぶ。水谷塾にて更にスポーツ写真の知識や技術を身に付け、現在はフリーランスのフォトグラファーとしてサッカーを中心にジャンルを問わず様々なスポーツを撮影している。
ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員
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