【ゴルフ沼#27】全ゴルファーの悩み「ダフリ」という悪夢 人はなぜダフり続けるのか。

野球、テニス、卓球などの球技では、バットやラケットでボールを打とうとしたときに「当たる」「当たらない(空振り)」というの2種類の出来事が起こる可能性があります。

しかし、ゴルフにはもう1つの可能性が開かれています。それが「ダフる」です。クラブヘッドがボールに達する前に地面に当たってしまうせいで、ボールにまともに当たらなくなってしまう現象です。ゴルフは地面にあるボールを打つものだからこそ、こういうことが起こるんですよね。

そして、何を隠そう、私はとにかくダフるんです。ダフってダフってダフりまくるんです。ダフリンピック金メダリストです。思えば約1年半前、初めてゴルフクラブを手にしたその日から、ずっとずっとダフり続けていました。

ゴルフ沼,初心者,ラリー遠田

ショットで芝を削り取ることを「ターフを取る」と言います。上手い人はポールが置いてある位置よりも前方の芝を削る理想的なダウンブローのショットが打てるのですが、私の場合、ダフリでボール手前のターフを取ってしまいます。「ターフ取りショット」と表現すると上手い人みたいに聞こえるので、今後はそう言っていこうかと思います。

ダフリと正反対の現象として「トップ」というのもあります。ダフリはヘッド軌道が低すぎるというミスであるのに対して、トップはヘッド軌道が高すぎて、ボールの上半分にクラブが当たってしまうのです。

トップに悩まされているというゴルファーもいるそうですが、ダフリンピックを制した私に言わせてもらえば、何をぜいたく言ってんだよ、という話です。ダフリとトップは似ているようで全然違う!

もちろん、トップだとまともに当たるよりは飛ばないのですが、それでもクラブヘッドの運動量は失われていないので、そこそこの飛距離は出ることが多いのです。場合によっては、低い弾道の打球がフェアウェイを転がっていき、普通に当たるのとあんまり変わらないぐらいの結果になることもあるぐらいです。そんなの全然ミスじゃないよ!

その点、ダフリはキツい。ヘッドが一度地面に当たることで勢いが大幅に失われているので、ボールは全然飛ばない。ヘッドが地面に当たる感触が伝わってきて、当たり方が悪いと手を痛めることもある。とにかくダフリは百害あって一利なしなのです。

前述の通り、数あるゴルフのミスショットの中でも、私はとにかくダフリにずっと苦しめられてきました。改善策はいろいろ試していたのですが、一時的に良くなることはあっても根本的な解決には至っていないので、一度落ち着いてもすぐに再発する、という状態が続いていました。いつまで経ってもダフリという悪夢から覚めないのです。


(次のページへ続く)

でも、最近ようやく「あっ、これかな?」と思う希望の光が見つかりました。新しく通い始めたゴルフスクールで、コーチから最初に指摘されたことがあったのです。それが「アドレスで腕とクラブが一直線になっているのが良くない」ということでした。
横から見たときに、腕とクラブがまっすぐではなく、少し手元が下がるような形で角度がついているのが正しい構えなのだということでした。たしかに、セオリーとしてそういうのがあったことは何となく聞いたことがあったのですが、すっかり忘れていました。
コーチの話によると、腕とクラブがまっすぐになっているとダフりやすくなるそうです。つまり、私はずっとダフりやすい構えのまま、ダフリを連発し続けていたのでした。
これを意識して練習をしていると、たしかにダフリが出ることがなくなりました。……って、こんな簡単なことだったのかよ!

ゴルフ,ゴルフ用品

もちろん、今も油断するとダフリが出ることはありますが、確率はグッと低くなりました。
あの絶対王者がようやくダフリンピックのメダルを返上することができるのでしょうか。次のラウンドが楽しみです。


>>【連載】連載:ラリー遠田の「ゴルフ沼へようこそ」〜日本一不器用な初心者ゴルファー奮闘記〜