【ゴルフ沼#26】グリーンの鬼門「下りのパット」はなめたらアカン…!
ゴルフの数ある技術の中でも、パッティングというのは多くのゴルファーになめられがちなものです。ほかのショットの練習に比べると後回しにされやすい。ゴルフ練習場の中にはパター練習用のグリーンが存在しないところも多いため、そもそも練習できる機会が少ない、という事情もあります。
パターマットがあれば自宅で練習することもできるのですが、そもそもパッティングは地味な作業ですし、続けていても上手くなっているのかどうかよくわからず、練習の手ごたえがないのでサボりがちになってしまう人が多いようです。
……などと他人事のように書いてきましたが、これは完全に自分の話です。私もゴルフを始めた当初はパター練習に燃えていました。パターマットを購入して、毎日コツコツと練習を続けていたのです。
しかし、いざコースに出てみると、練習の成果が全く出ない。むしろ、パターで失敗してスコアを落とすことが多く、やってもやっても上手くならないので徐々にサボりがちになり、完全にやらなくなってしまいました。
ただ、1つだけ言い訳をすると、毎日練習をしていた初期の頃よりも、今の方がパットは上手くなっている自信があります。なぜなら、単純にコース経験が増えたからです。ゴルフでは、コースに慣れないとなかなかスコアが伸びないのですが、私の感覚では、それが最も著しいのがパットです。
パットだけは実地で経験を積まないとなかなか上手くならない。自宅のパターマットでは長い距離を打つことができないので、ロングパットの距離感をつかむ練習ができないし、傾斜がないのでライン読みの練習もできません。10回ぐらいのコース経験を経てから、ようやくパットのコツのようなものがぼんやりとわかってきました。
初期の頃に最も痛い目を見たのが下りのパットです。パットは下りが圧倒的に難しい。私はそのことを身をもって学びました。
あるとき、カップまで1.5メートル程度の短い下りのラインに直面しました。パターでボールに少し触れるだけで転がっていくことは明らかだったので、自分の中で最小限の力加減でちょこんと当ててみたところ、ボールは無情にもカップをそれて、下り坂をどこまでも転がっていきました。距離にして7メートルほど。
下りのパットは天童よしみです。なめたらあかん、なめたらあかん。よしみの歌声が頭の中に響きます。もちろん返しのパットもうまくいかず、このホールは何打叩いたのかも覚えていません。尾崎豊が盗んだバイクで走り出す年齢ぐらいのスコアだった気がします。
このときに、下りのパットは恐ろしいということを改めて思い知らされました。だからこそ、プロは上りのパットが打てるような場所を狙ってグリーンを攻めていくのです。
しかし、もちろん自分にはそんな技術はないので、1日のうち何回かは必ず下りのパットを打つことになります。さあ、どうすればいいんだろう。最小限の力で打っても転がりすぎてしまうなら、もう無理じゃね?どうしようもなくね?いや、もちろん、短い距離ならカップに入れればいいんだけど、入りそうにない距離の下りはどうするの、っていう話だし。
(次のページへ続く)
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