【卓球】Tリーグ今季も優勝狙えるか 木下マイスター東京
先月開幕した卓球の「Tリーグ」。男子の「木下マイスター東京」はこれまでの4シーズンで3度の優勝を飾る強豪チームだ。昨シーズンの優勝に大きく貢献した及川瑞基や、世界ランク5位(※9月27日時点)のウーゴ・カルデラノ、国際大会で優勝経験のある篠塚大登の加入によってチームの更なる躍進が期待される。最新のチームの情報や注目選手について、Tリーグの解説を務める藤井寛子さんに聞く。(取材・文/二株麻依)
持ち前の安定感でチームを優勝に導く及川
及川瑞基
ーー今のチームをどう見られていますか。
藤井寛子(以下、藤井):昨シーズン優勝した木下ですけれど、戦力として大きかったのが及川瑞基選手です。シングルスで19勝と、ダントツだったんですよね。安定感があり、ちゃんと勝ち取ってくれるから木下が優勝できたのでしょうね。及川選手が今シーズンもチームに残り、さらに、世界ランク5位のウーゴ・カルデラノ選手が入ってきたので、さらに強化されたチームの戦いが見られるのかなと思っています。
ーー及川選手は全日本卓球選手権での優勝経験もありますが、どんな選手なのでしょうか。
藤井:確実な選手ですね。国際大会でも活躍しているので、苦しい試合も勝ち切ってくれる、期待に応えてくれる選手です。フットワークがしっかりしてるので、凡ミスがまず少ないです。それから対応能力も高くて。今は速いプレーをすることが多いと思うのですが、緩急をつけたり、変化をつけてチャンスメイクができてしっかり決めることができます。自分の体の特徴や、できることをしっかりと分かっていて、それをもとにどう戦えば得点になるかを考えられる選手です。冷静、そして着実に、考えつつ実行できる選手だと思います。
世界ランク5位の天才肌 ウーゴ
ウーゴ・カルデラノ
ーー世界ランク5位のウーゴ選手は、どんな選手なんですか。
藤井:ブラジル出身の選手です。ブラジルってこれまでなかなか強い選手が出てこなかったので、ウーゴ選手は今世界で注目されている選手だと思いますよ。卓球が上手いのはもちろん、バク転ができるなどすごく身体能力が高いんですよね。エンターテイメント的な要素も強くて。卓球のプレーでは、カットしたり、カーブロング(ボールに横向きの回転をかけるドライブ)で入れたり、オールマイティーにいろんなことができます。天才肌であり、基礎練習をしっかり積んでいるような安定感もある。そして創造性豊かな卓球ができる選手です。実力ある選手を獲得できたというのは木下の強みになりますね。
ーー海外の選手はシーズン中、日本に住むのですか。
藤井:そんなことないです。試合に出るタイミングの時に居れば良いので、試合があるたびに来ても良いですし。シーズン中の、いつからいつまで試合に入れるのか、何試合出場するか、という契約をしていて、ずっといる選手もいれば、この日だけ、という選手もいます。なのでチームの監督たちはいろんなツテをたどって、いつどの選手がいるか、情報収集して、自分のチームのオーダー(出場選手や順番)を決めますね。
(次のページ「世界タイトル獲った篠塚が加入」へ続く)
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