入国拒否のジョコビッチを“犬猿の仲”キリオスが擁護!「スポーツは彼を必要としている」<SMASH>
男子テニス世界ランキング93位のニック・キリオス(オーストラリア)が、オーストラリア入国を拒否されたノバク・ジョコビッチ(セルビア)への母国の対応を批判している。
キリオスといえばこれまで度々ジョコビッチを批判し、テニスファンの間でも「犬猿の仲」と称されるほどだった。
ところが、連日世間をざわつかせているジョコビッチの豪入国拒否騒動についてキリオスは1月7日に自身の公式ツイッターで「ノバク(ジョコビッチ)への(母国やメディアの)対応は非常にまずい。メディアのトップ記事が報道しているように、彼は偉大なチャンピオンの1人だけど、同時に彼は普通の人間でもある。もっといいやり方があるだろう」と投稿。長らく確執があるとされている世界王者を擁護する姿勢を見せているのだ。
現在開催中のメルボルン大会(ATP250)を持病の喘息により欠場したキリオスだったが、1月10日から開催されるシドニー・テニスクラシック(1月10日~15日/オーストラリア・シドニー/ハードコート/ATP250)にはワイルドカード(主催者推薦)で出場する予定だ。
そのキリオスはこのほど大会開幕前の記者会見に出席し、再びジョコビッチの豪入国拒否騒動に言及。「一刻も早く(騒動を)解決することが一番だ」とした上で、以下のようにコメントした。
「スポーツは彼(ジョコビッチ)を必要としている、それはとてもシンプルなことだ。史上最も影響力のあるスポーツマンの1人である彼が、最終的にプレーすることを許されれば、全豪オープンがもっと注目され、知名度がより上がることにもつながるだろう。この問題が早く終わるといいのだが…」
また、キリオスは幾度となく取り沙汰されるジョコビッチとの関係性についても「面白いことに、ノバクと俺は以前から友人で、何度か大会で一緒に練習したこともあるが、メディアは俺たちを敵対視していた。彼ら(メディア)は物事をかなり誇張し、実際より30倍も悪く書いていた」と発言。
さらに、「ノバクは俺が若い頃、『何か困ったことがあったら遠慮なく言ってくれ。力になるよ』と声をかけてくれた数少ない選手の1人だったことを覚えている。2020年のオーストラリアの山火事問題でもずいぶんと助けてもらったような気がするんだ」として、ジョコビッチへの感謝の言葉も口にした。
英公共放送局『BBC』など複数の海外メディアによると、ジョコビッチの弁護団は同選手のワクチン接種が免除された理由について「昨年の12月16日に新型コロナウイルスの感染が確認されていたからだ」と主張したという。
だが、オーストラリアテニス協会から事前に選手に説明されていたとされるワクチン接種免除の手続き期限(12月10日)を過ぎていることに加え、その時期もジョコビッチがマスクを着用せずに様々なイベントに参加していたことから、疑問を投げかける声は少なくない。
果たしてキリオスの想いは届くのだろうか。なお、ジョコビッチ側が裁判所に出した国外退去への異議申し立てについては、1月10日にその可否が決定されることになっている。
文●中村光佑
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