「2つの崇高なフィニッシュ」でリーグ杯制覇に貢献した古橋享梧を現地メディアが大絶賛!「フルハシの決勝戦として記憶される」
現地時間12月19日、スコットランドのリーグカップ決勝が行なわれ、セルティックは2-1でハイバーニアンを下し、2年ぶりのタイトル獲得を成し遂げた。
ハムデンパークでの決戦は、リーグ戦で2位のセルティックが、7位のハイバーニアン相手に攻勢を維持し、序盤から幾度も相手ゴールに迫るが、ゴールには至らないまま前半を終了。後半に入ると51分、CKからポール・ハンロンのパワフルなヘッドで先制されるが、相手の喜びも束の間、セルティックは52分に追いつく。カラム・マグレガーの浮き球のパスを見事にコントロールし、相手GKとゴールポストのわずかな隙間を撃ち抜いたのは、CFの古橋享梧だった。
それまでにも幾度か相手DF陣に脅威を与えていた日本人ストライカーはさらに72分、セットプレーで相手DFラインの裏側に走り抜けると、トム・ロギッチの入れた浮き球を受け、半身の状態で正確にGKマット・メイシーの頭上を抜くループシュートでゴールに流し込み、これが貴重な決勝点となった。
83分でお役御免となり、セルティックでの初タイトル獲得の瞬間をベンチで迎えた古橋は試合後、自身のSNSで「僕らはチャンピオンだ! セルティックでの初タイトルを勝ち取れてとても嬉しいです。このチームを誇りに思います。ファンの皆さん、この勝利はあなたたちのものです。サポート、ありがとう」と英語で喜びや感謝の気持ちを表わし、また日本語では「少しは皆さんにいいニュースが届けられたかな? 今シーズン、まだまだ成し遂げることがあります! 慢心せず全力で挑み続けます」とも綴っている。
アンジェ・ポステコグルー監督は、ハムストリングスの負傷を押して出場し、最高殊勲者となった古橋について、「私が何を言おうが、メディカルチームが何を言おうが、今日、キョウゴがプレーしないことはあり得なかった。100%のコンディションではなくとも、彼がチームのためにプレーすることは分かり切っていた。このようなビッグゲームで、あの落ち着きようであり、彼が見せたのは、2つのワールドクラスのフィニッシュだった」とコメント。さらに、「ファンタスティックな選手。そして何て素晴らしい人間だ!」と賛辞は続いた。
セルティックの公式サイトも彼の2点を絶賛し、1点目で「日本のストライカーは素晴らしいコントロールと落ち着きを示した」、2点目については「不思議なゴール」「息を呑むようなロブ。それは、どんなカップ戦決勝でも勝利を得るに値するほどのゴールである」と記述。スコットランド・プレミアリーグの公式サイトも「キョウゴのダブルでハイバーニアンに勝利」「素晴らしいロブで勝利を掴み、ポステコグルー監督に最初のトロフィーを与えた」と伝えている。
現地メディアもこの26歳の日本人の活躍を報じ、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「フルハシの2ゴールのおかげで、セルティックは20回目のリーグ杯制覇」「彼はポステコグルー政権での最初のタイトルをもたらし、セルティックのヒーローになった」として、10点満点の採点では単独最高の「9」を与え、マン・オブ・ザ・マッチにも選出。英国公共放送『BBC』は「セルティックの小さなFWがリーグ杯決勝で大きなインパクトを放った」と綴った。
日刊紙では、『The Scotsman』が「この一戦は『フルハシの決勝戦』として記憶されるだろう。2つの崇高なフィニッシュにより、彼の名前は記されることとなった。ハムストリングスの負傷で直近の2試合を欠場したことを考えれば、彼のプレーはより称賛に値するものだ」、『THE SCOTTISH SUN』は「驚きの先発出場を果たした日本の点取り屋は、ハムデンでの見事なダブルで存在感を示した。新たなセルティックのヒーローとしての地位を確固たるものとするため、2つの素晴らしいゴールを決めた」と、それぞれ報じている。
また、『Daily Record』は「ハムデンのヒーローとなったキョウゴは、ファンのお気に入り選手としての地位を固め、セルティックでの素晴らしいキャリアのスタートを切った。この試合でのダブルはセンセーショナルなもので、決勝戦に相応しいものだった。高いクオリティーを発揮した彼を見れば、ポステコグルー監督が極東のJリーグから多くのタレントを“略奪”しようとしているのも不思議ではない」と綴り、日本人選手に対する評価も高まったことを示した。
さらに、グラスゴーのニュースサイト『Glasgow World』は「前半はかなり静かだったが、動きは素晴らしかった。後半になって“ショー”を開始し、重要な2つの優れたクオリティーの“瞬間”を生み出した」、サッカー専門メディア『footballscotland』も「前半はいまひとつだったが、後半早々にすぐその埋め合わせを終えた。1点目ではマグレガーからラストパスを引き出し、2点目ではメイシーの頭上を抜く美しいロブを決めた」と、後半の大覚醒ぶりを強調している。
このように、現地メディアは古橋の勝利に直接繋がる大活躍ぶりを偉業として称えた。なお『Sky Sports』以外にも、ここで紹介したメディアのほとんど独自の採点を行なっているが、いずれも10点満点で8~9の高採点で、最高評価だったことは言うまでもないだろう。
構成●THE DIGEST編集部
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