軍入隊の元テニス選手がレジェンドの支援を報告!フェデラーは「子どもたちの移住も積極的に支援している」<SMASH>
多くの人命が奪われているロシアのウクライナ侵攻を受け、軍の予備役に登録した男子テニス元世界ランク31位のセルゲイ・スタコフスキ氏(ウクライナ)がこのほど、スイスの無料日刊紙『20min.ch』のインタビューに出演。その中で四大大会20勝を誇る男子テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラー(スイス/27位)から援助の申し出があったことを明かした。
今年1月の全豪オープン予選を最後に現役から退いたスタコフスキ氏は、侵攻の被害が及んでいる出生地のキエフを守るために戦場に赴くことを決意。現地2月26日に応じた英衛星放送『Sky News』のインタビューでは「自ら武器を手にして戦うつもりだ」と、母国の危機に立ち向かうことを表明していた。
そんな中、先日スタコフスキ氏は自身のSNSでノバク・ジョコビッチ(セルビア/2位)から「元気かい? 現場にいるのか? 君のことを思っているよ。早く全てが落ち着くことを願っている」といった安否を気遣うメッセージを受け取ったと報告。またジョコビッチは「資金援助でも他の方法でも、とにかくどんなサポートでも必要であれば知らせてほしい」と、あらゆる手段を講じて支援する意欲も示した。
だが、現在はジョコビッチだけでなくフェデラーも水面下でウクライナを支援するために動いているようだ。
「彼と(妻の)ミルカさんの財団は、戦争の影響を受けたウクライナの子どもたちを助ける方法とその子どもたちのうちの何人かをスイスで世話をする方法を探している。また、その子どもたちの移住も積極的に支援している」と語ったスタコフスキ氏は「ロジャー・フェデラーは早く平和になることを望んでいる」とコメント。
そして母国の悲惨な現状を打開しようと全力を注いでいるウクライナ・テニス界のスーパースターは「自分が銃を手にして歩いていることをまだ受け入れられていない」と率直な思いを吐露。それでも「自分たちを守らなければ、守るべき国も住むべき国もなくなってしまうんだ」と、改めて闘う意志に変わりはないことを示した。
スタコフスキ氏に加えて、昨シーズンで現役を引退したキエフ出身のアレクサンドル・ドルゴポロフ氏(ウクライナ/元世界13位)も防衛軍に入るなど、テニス界にも多大なる影響を及ぼしているロシアのウクライナ侵攻。一刻も早い収束と2人の無事を祈るばかりだ。
文●中村光佑
【PHOTO】史上最強の王者!絶大な人気を誇るロジャー・フェデラーの「ウインブルドン2019」を振り返る!
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