プロ野球中継とパワプロ、効果的な看板広告は?eスポーツの露出価値に迫る
世界最大規模のスポーツマーケティングリサーチ&コンサルティング会社として、スポンサーシップに関するデータ分析及びファンインサイトを基に、様々なステークホルダーの事業拡大を支援。ニールセンスポーツ提供のデータを通じて、スポーツ市場の現状を紐解いていきます。
今回は、eスポーツとリアルスポーツの広告効果の違いについて迫りました。
パワプロ内広告の方が、「記憶に残りやすい」
プロ野球の試合と実況パワフルプロ野球(以下「パワプロ」) の試合での広告露出効果の違いを調べるため、「パワプロ」を販売するコナミデジタルエンタテインメント、慶應義塾大学の加藤貴昭研究室、ニールセンスポーツジャパンの3者が協力して実験を行ないました。リアルのプロ野球中継時の看板広告とeスポーツ内の看板広告で、 観戦者の認識にどのような差が生じるのか、アイトラッキング、発汗状況や表情などの生体計測を検知できるCAPTIVソフトを使って検証しました。
対象は、野球の観戦経験がある男女各10名、観戦経験がない男女各10名。球場、チーム、試合のシーン、広告が映る動画を見てもらい、それぞれの広告への注視状況、発汗、表情の変化などが確認されました。
※秒数など、条件をできる限り近くして実施
<資料提供:ニールセンスポーツジャパン株式会社>
広告を見た時間や回数は、プロ野球中継のほうが多い結果となりました。一方で「記憶に残った広告」を訊ねると、ゲーム内の広告の方が記憶に残っているという結果に。広告を見た秒数や回数が多いことと、記憶に残るかどうかは比例しないと言えます。
<資料提供:ニールセンスポーツジャパン株式会社>
プロ野球では投手が1球を投げるのに15秒程度かかるのに対して、パワプロでは5秒程度です。つまり、動画内で広告が映るプロ野球中継では「連続して映る時間」が長く、パワプロでは「露出回数」が多くなっています。
ニールセンスポーツが行なった、ニューロ分析などを基にした研究で「5秒以上の露出は目が慣れ、認識力が大幅に低下する」というデータがあります。パワプロ内の広告の方が記憶に残りやすかった背景として、時間と認識力の関係が影響しているのではないかと考えられます。
eスポーツ内での看板露出は、今後新たな広告手法のひとつとして確立されていくのではないでしょうか。実際どのような効果が出るのか、引き続き注目が集まります。
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