立飛ホールディングスが描く、「スポーツの街・立川」の未来

『アリーナ立川立飛』の建設やB1リーグ・アルバルク東京のスポンサードなど、スポーツへの支援を多岐にわたって行なう不動産事業会社・立飛ホールディングス。「立川に文化を根付かせる」ことを目的に、様々な事業を展開している会社です。

『スポーツは街の活性化につながる』と信じ続けてきた村山正道代表取締役社長は、いかにして立川という街を変貌させていったのでしょうか。そして、まだ“仮の姿”だと語る街の未来とは。

(取材日:2020年5月25日 聞き手:竹中玲央奈、堀友美)


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事業展開と数値が比例している

スポーツへの支援は、間違いなく地域の活性化につながっています。

数年前には、立川市の人口は衰退していくと言われていましたが、実際には増加し続けています。『住みたい街ランキング』でも、2019年は立川が7位まで上がっていました(前年は18位。長谷工アーベストの調査より)。

立飛ホールディングスが積極的に事業を展開してきたことと、比例しているんです。やっていることは間違っていない。利益至上主義ではなく、立川に今までなかった芸術や文化、スポーツの文化を根付かせたいという想いでやっています。

なぜここまでやるのかと言われるが、不動産という「社会資本財」を持っている会社としての責任があるからです。弊社は立川市の25分の1、約98万㎡の敷地を持っています。われわれがどう動くかで、立川という街自体が変わります。

大相撲の立川立飛場所の巡業を8月に誘致しているのも、子供たちをターゲットにしているから。当初は協会から4月の平日に打診をいただいていましたが、それだと学校が始まっていて、子供たちが力士と触れ合えないですよね。巡業で一番面白いのは力士と子供のふれあいなんです。それに、両親や親戚の方々も観に来てくれます。

立川立飛場所は立飛ホールディングスが勧進元(編集部注:かんじんもと、興行主のこと)となっていますが、民間で勧進元をするのは当社だけだとか。地域の方に喜んでもらいたいという想いでやっていて、チケットの売れ行きも好調です。

アリーナ立川立飛を全国のロールモデルに

今後、立川は“スポーツの街”としての色が更に濃くなっていくと思います。

例えば元ビーチバレー選手の朝日健太郎さん(現参議院議員)は「TACHIHI BEACHをビーチスポーツの聖地にしたい」と言ってくださいました。ビーチスポーツは、屋内よりも屋外のほうが向いている競技が多いです。しかし、海岸は基本的にアクセスが良くないですよね。TACHIHI BEACHをうまく活用できれば、もっと盛り上げられるのではないかと考えています。

また、NHKの五輪実況や大相撲中継で有名な刈屋富士雄さんは、2020年5月に立飛ホールディングスの執行役員スポーツプロデューサーになりました。彼とは大相撲の夏巡業でお会いしたのですが、大相撲のW杯を日本で開催したいという夢があって。話を重ねるうちに『自分の夢を実現するのは立飛しかない』と言ってくれたんです。

アリーナ立川立飛には様々な方が可能性を感じていて、全国から視察が来ています。アリーナ立川立飛は※LC(ローコスト)アリーナとして建設されましたが、もっと全国の民間企業に真似してほしいですね。箱を作れば、スポーツ振興にものすごく貢献できますから。

※工期や建設費を抑えたシンプルな構造のアリーナ

立川はバスケットボールの文化が根付いてきているので、まずはそこを強めていきたいです。アリーナの建設前に立ち上げた一般社団法人多摩スポーツクラブでは、バスケットボールをはじめ、フェンシングやフットサルなどのスクールを展開しています。将来的には、ここからオリンピアンを輩出していきたいですね。

また、多摩スポーツクラブは2020年2月に、3×3(3人制バスケットボール)のTACHIKAWA DICEと合併しました。リーグの活性化につながれば嬉しいですし、地域の方々も“おらが街のチーム”ということで、愛着を持ってくれるのではないかと。いずれ5人制バスケットボールもやりたいですし、そうやって子供たちの可能性も広げていきたいと考えています。

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