5年シードで切れた緊張の糸 ツアーへの意欲取り戻した芹澤信雄・最後の勝利【名勝負ものがたり】(No.169202) | ツアーニュース | ツアー情報 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net|GOLF情報
ツアーへの気持ちにつながった勝利だった(撮影:ALBA)
歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。
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第4回は芹澤信雄に「頭が真っ白になった」と言わしめた大激戦、2000年のシーズン開幕戦、東建コーポレーションカップ。結果的にレギュラーツアー最後の勝利の美酒を味わったのは、40歳の時だった。
入れれば優勝が決まる2メートルのバーディパット。アドレスで空を見上げて祈り、ターゲットを定めて構える。記憶があるのは、インパクトの瞬間まで。ボールがカップに吸い込まれた瞬間はまったく覚えていない。初めて味わった感覚だった。
「人生で初めてでした。頭の中が白くなる感じ。神頼み、というか、前の年に亡くなったオヤジに『入れさせてくれよ』と頼んだような感じは覚えていますけど」という1打。歓声に応えることもできなかった。「最後の優勝になったのに、ガッツポーズもとれなかった。打って、真っ白になって、力尽きてヘナヘナと崩れた。オヤジ頼みなんて信じるタイプでもないんですけど」と振り返る。
「もうレギュラーツアーでは優勝できないだろうな」。そんなことを考えるようになっていた。年々、設定が長くなるコースに苦しんでいた頃のことだ。この時も、祁答院ゴルフ倶楽部(鹿児島県)で全長7135ヤードのセッティングに直面した時には「やっぱりダメかな」という気持ちすら抱いていた。
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