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視聴者からの指摘でルーティン変更 植竹希望がツアー初Vに大粒の涙 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
リーダーボード
Pos 選手名 Sco 1 植竹希望 -8 2 吉田優利
-8 小倉彩愛 -8 西村優菜
-8 5 小祝さくら
-7 6 藤田さいき -6 7 渡邉彩香
-5 8 鈴木愛 -4 堀琴音
-4 金澤志奈 -4 順位の続きを見る
初めて手にしたトロフィーは…やっぱり重みがすごい?(撮影:鈴木祥)
<KKT杯バンテリンレディス 最終日◇17日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6499ヤード・パー72>
ツアーきってのショットメーカーと呼ばれるまでになった植竹希望が、ついにはじめての優勝カップを掲げた。2位からスタートした最終日は終盤に2ボギーを叩きプレーオフに突入。合計6ホールのプレーオフはツアー記録の2時間にも及ぶ長丁場の戦いとなったが、最後はバーディ締めで勝負を決した。
パーオン率、ドライバーのうまさを示すトータルドライビングはツアー屈指。キレのあるスイングから繰り出されるショットは女子ツアーの中でもするどさが際立つ。それを武器に、今季は優勝争いに顔を出す機会も増えたが、あと一歩のところで悔しさを味わってきた。
1998年度生まれの黄金世代の同級生たちが次々と勝利を重ねるのを尻目に、勝利への思いは募るばかり。「ずっと勝てなくて長かった。黄金世代10人目になれてよかった」と、17年のプロテストに合格してから続いた未勝利期間に終止符を打ち、勝者の仲間入りを果たした。
ショット力が持ち味の植竹だが、今週の勝利の要因はパッティングと言い切る。今週は先週から取り組んだ新たなパッティングルーティンが、勝利に貢献した。「視聴者の方からプレーが遅いと言われて」と妹が見つけた書き込みや、SNSのダイレクトメッセージでもプレースピードのことを指摘された。「自覚はしていました。時間をかけすぎて感覚的なものが損なわれていたと反省しました」。これらを素直に受け入れ、感覚を頼りにルーティンの時間を減らした。
プレーオフ6ホール目。最後に残ったのは2メートルのバーディパット。「入る気がした」と自信を持って打った1打は、感覚もタッチも最高にマッチし見事にウィニングパットとなった。
「きょう1日長かった」と振り返る初勝利。「ひと言でいうとしんどいゴルフになってしまった」と反省点も残る。今季のスタッツを見ると、予選ラウンドの平均スコアは全体4位だが、決勝ラウンドは56位。うれしい初優勝に笑顔と涙がはじけ飛んだが、「次に勝つときはノーボギーで勝ちたい」と、次回は勝ち方にこだわるつもりだ。
殻をやぶったいま、次なる目標はメジャー優勝、海外ツアー参戦と、夢は膨らむばかり。「まだ初優勝したばかり。畑岡奈紗ちゃんとか渋野日向子ちゃんとか、海外ツアーで頑張っている。早く追いつけるように頑張ろうという気持ちが強いです」。将来は海外ツアー挑戦も視野に入れつつ、「1勝で終わったねと言われるのが悔しいので」と、早々に日本での2勝目を狙いにいく。
夕日に照らされたくしゃくしゃの笑顔と大粒の涙。次なる歓喜の瞬間は、いったいどんな表情を見せてくれるのか。まずは2勝目に期待、そしてその勝ち方にも注目だ。(文・高桑均)
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