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「ジャがMIPになることはない」ウォリアーズのグリーンがモラントへ賛辞の言葉「MVP候補として話そうぜ」<DUNKSHOOT>

グリズリーズをウエスト3位に導くモラントに対し、敵チームの選手も称賛の言葉を贈っている。(C)Getty Images
NBA2021−22レギュラーシーズンも折り返し地点を過ぎたなか、予想外の快進撃を見せているのがウエスタン・カンファレンス3位のメンフィス・グリズリーズだ。

チームを牽引するのは3年目の22歳、ジャ・モラント。今季は自身の活躍にチームの成績も追いつき、一躍注目の存在となっている。

現地時間1月19日にはゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンが自身のポッドキャスト番組でモラントについてコメント。「ジャがMIP(最も成長した選手)になることは絶対にない。マイルズ・ブリッジズ(シャーロット・ホーネッツ)が獲得すべきだ」と語ったが、それはモラントへの敬意の表われだった。

キャリア4年目のブリッジズは、ここまで平均20.0点、7.3リバウンド、3.6アシスト、1.1スティール、0.9ブロックといずれもキャリアハイの成績を残し、ホーネッツが25勝20敗(勝率55.6%)でイースタン・カンファレンス7位という好位置にいる立役者となっている。
一方のモラントは平均24.7点、5.8リバウンド、6.9アシスト、1.3スティールの成績で、グリズリーズをウエスタン・カンファレンス3位の31勝16敗(勝率66.0%)に牽引。ブリッジズの成長ぶりも見事だが、現時点でMIPの本命を挙げるとすれば、このモラントが最有力と見る向きが強い。

では、なぜグリーンはモラントがMIPに値しないと語ったのか。本人が説明している。

「ジャが最も成長した選手だと思わない理由、それはあの男が今シーズンからジャになったわけではないからだ。俺たちは昨シーズンの時点で、彼は脅威だと分かっていた。侮れない存在になると分かっていたんだ。彼が成長したかって? 間違いない。彼はジムに住み着いているし、自身のゲームを磨いているから、100%成長を遂げた。俺が一番気に入っているのは、あのチーム(グリズリーズ)の連中がジャについていっていることだ。彼を見事にフォローしている。そして、彼はあのチームを引っ張っている。それがジャ・モラントの凄いところだ」
グリーンはモラントを、“今季に入って成長した選手”とは見なしていないというわけだ。さらに称賛を込めてこう話す。

「俺がジャをMIP候補に入れるのを嫌ったのは、彼はすでにその域を超えているからだ。MVP候補として話そうぜ、ってことなんだ。彼はその話題の中に入るべきだと感じている。彼は今MVPレベルでプレーしている。オールスターのスターター級だ。そのレベルに達しているのさ」

グリズリーズを一躍リーグトップクラスへと引き上げたモラントは、まだ22歳ながらクラッチタイムでも物怖じせずにゴールを狙い、結果を残し続けている。チームもスクリーンやスペーシングを与えてエースを助けるなど、モラントで勝ちにいくスタイルを構築している。
20日に発表されたオールスターゲームのファン投票途中経過で、モラントはステフィン・カリー(ウォリアーズ/601万9418票)に次いでウエストのガード部門で2位の262万3359票を獲得。3位のルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/192万3187票)との差も開いており、このままいけば初のオールスター出場を先発で飾ることが濃厚だ。

飛ぶ鳥を落とす勢いでリーグ有数のチームとなったグリズリーズ、そしてMVP候補に浮上したモラントの活躍から、今後も目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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