持ち味は“身体能力”と“強心臓” 卓球を楽しみ、伊藤美誠に憧れる道産子・吉本はな
卓球×インタビュー 持ち味は“身体能力”と“強心臓” 卓球を楽しみ、伊藤美誠に憧れる道産子・吉本はな
2021.05.20 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)
「卓球はラリーが続いたら楽しいし、前陣でピッチ速くやるのが楽しいです」。満面の笑みで話すのは吉本はな(貝塚第二中)だ。
吉本は、2021年3月末の全国中学校選抜卓球大会で女子団体決勝のラストを任された。「メンタルが強く、大事な場面でラストを任せられるのは彼女しかいない」と貝塚第二中の皆川顕一監督は、吉本に抜群の信頼を置いている。起用に応え、吉本はゲームカウント3-1できっちり勝利し、貝塚第二中を2連覇に導いた。
同じ戦型の伊藤美誠に憧れを抱く13歳は、楽しそうに卓球との出会いからインタビューに答えてくれた。
【吉本はな(よしもとはな)】2007年5月31日生まれ。北海道出身。ジュニアアシスト卓球アカデミー(以後、ジュニアカ)に所属する貝塚第二中学2年生。戦型は右シェーク異質攻撃型。尊敬する選手は伊藤美誠。趣味は工作と外で遊ぶこと。このページの目次
- [5 特集・日本生命レッドエルフ第2弾 なぜ日本生命は強いのか?]()
「これ、面白そう!」卓球との偶然の出会い
卓球界には「両親が卓球選手」「兄弟姉妹が卓球をしていた」という選手が多い。しかし、吉本は卓球とは無縁な家庭で育った。卓球を始めるきっかけもふとした偶然だった。
「たまたまテレビでやっていた世界卓球を見てて、『これ、面白そう!』と母に言って始めました**」。**
写真:吉本はな(貝塚第二中)/撮影:槌谷昭人小学校時代は地元北海道の卓球クラブに通った。当時の思い出を尋ねると、勝ち進んだ試合結果を挙げる選手が多いが、吉本からは意外な答えが返ってきた。
「小学校の頃は練習が楽しくて、毎日行くのが楽しかったのが思い出です。友達と遊びたいときもあったけど、練習は楽しかったです」。
「小学校の頃は月に1回休みがあると言われてたけど、3か月に1回とかで全然休みがなかったです(笑)」
持ち味は身体能力と強心臓
卒業後は、Tリーグ女子・日本生命レッドエルフの下部組織であるジュニアカに所属し、貝塚第二中学に通っている。
写真:練習後に整列する貝塚第二中メンバー。右から3番目が吉本/撮影:ラリーズ編集部貝塚第二中の皆川監督が「身体能力がすごく高い。メンタルも中学生の中では一番強い」と評価していることを伝えると「父が野球をやっていたので遺伝です(笑)。メンタルはそこまで強くはないです(笑)」と謙遜しながら自己分析してくれた。
走るのもかなり速いそうです2連覇を決めた全中選抜については「他の試合はあんまり緊張しなかったんですけど、決勝の5番は結構緊張しました」とさらりと振り返る。
「4番の子が前に勝っていたと相手だったので、5番に回ってくるとはあんまり思ってなかった(笑)。最初は負けたらみんなに申し訳ないなと緊張してたんですけど、自分のプレーがだんだんできてきて、いけるかなと思いました。最後は得意のサーブで決められて良かったです」。決勝でのエピソードからも強心臓ぶりが見て取れた。
全国大会の決勝以外で緊張しない時点でメンタルが強い部類に入ると思います…## 伊藤美誠に憧れて
写真:吉本はな(貝塚第二中)/撮影:槌谷昭人卓球を楽しむ姿勢やメンタルの強さが特徴の吉本は、自身の尊敬する選手として伊藤美誠を挙げた。伊藤も楽しむことをテーマにプレーしており、メンタルの強さにも定評がある。さらに戦型も同じ右シェークバック表速攻型だ。
「中学校に入ってバック表に変えたことで、なおさら伊藤美誠さんのプレースタイルが良いなと思いました。サーブ、3球目やラリーの強さ、メンタル面もそうですし、全部尊敬してます」と憧れを口にする。
「全国大会で優勝したことがないので優勝して、ジュニアナショナルチームなど日本代表に選ばれて世界で活躍する選手になりたいです」とはっきりと目標を語る。
まだバック表に変えて1年弱という吉本は「フォアハンドが得意で、全中選抜の決勝もオールフォアでほとんどプレーできました」と伸びしろも十分だ。楽しみながら成長する吉本が花開く日は案外もうすぐなのかもしれない。
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