「アメリカの大胆さと日本の真面目さが融合」ファイナルズ出場経験者の藤原里華さんが青山修子/柴原瑛菜組の魅力を解説<SMASH>
女子テニスツアーの最終戦、「WTAファイナルズ」(11月10日~17日/メキシコ:グアダラハラ/ハードコート)で第2シードとしてプレーしている青山修子/柴原瑛菜組。日本人同士のペアとしての出場は19年ぶりの快挙だ。その19年前に杉山愛さんと組んで、最終戦の舞台に立った経験がある藤原里華さんに、このペアの魅力について教えてもらった。
2人が組むと知った時、「いいパートナーを見つけたなと思った」と語る藤原さんは、「柴原さんはサーブ力があり、サーブ&ボレーなど色々なことができる。対して青山さんは正確できちっと型があるダブルスなので、すごくフィットするだろうと思いました」と分析する。
そして、WTAファイナルズに出られるほど勝ち続けて、「チャンピオン級になる」には、ダブルスを重視する決意のある2人がペアを組んでいることが重要だと言う。
藤原さんは21歳で2002年最終戦に出場した後、「シングルスを捨てて、オリンピックまでの2年で(ダブルスのために)身体を作り上げていこうという感覚にはなれなかった」とも振り返る。
だからこそ、「2人にはそういう迷いがないですね。ダブルスとしていかにいいチームを作っていくかという一択だと思います」。この気持ちが「強いダブルスを作っていく上で大事なもの」だと言い切る。
それぞれのプレーの特徴や強みについては、「柴原さんはサービスの重要性をわかっていますし、サービスを武器として自分自身でゲームを作っているのが、日本で育った日本人にはない強みです。パワーもあり、思い切りもあり、そしてコミュニケーション能力が高い」と、アメリカ育ちらしい良さを挙げた。
青山については「堅実、着実という言葉が似合うスタイル。一つ一つダブルスで積み重ねてきた経験がたくさんあります。持ち味はフットワークと、ネットでの思い切りの良さ」。日本の大学でダブルスの戦い方を学び、基本的な考えを培ってきた経験が、プラスに働いているようだ。
「豪快な柴原さんと、技術者の青山さんが組み合わさり、アメリカの大胆さと日本の真面目さが融合した、ビジネスでも求められるようないいペアリングだと思います」と太鼓判を押す。
第2シードとして出場しているだけに、優勝の可能性も大いにあるこのペア。しかし「優勝する、勝つというのも大事ですが……」と、結果を求めることを制し、「今相手とどういうやり取りをしているか、その瞬間が大切だと思います。そこを見ていれば結果は後からついてくる」と、まずは大舞台で悔いのないプレーをするべきと話した。
最後に、コーチとして行ったことがあるグアダラハラについて、「乾燥していて、標高が高いのでボールがものすごく跳ねる印象です。そういう準備は必要になるでしょう」。そして、思い切り楽しんで「お客さんを味方につける」ことをアドバイス。
どのような戦いを見せてくれるのか。青山/柴原組は現地12日に、ニコル・メリカー-マルチネス/デミ・シュアーズ(アメリカ/オランダ)と対戦する。
取材●保坂明美
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】青山修子/柴原瑛菜組など、世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!
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