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性被害の中国選手が「告発は真実でなかった」の公表…しかしWTA会長は「彼女が書いたとは思えない」と疑問視<SMASH>

中国高官を告発したことで安否が気遣われているペン・シューアイ。だが、このほど「告発は真実ではなかった」とするメッセージが公表された。(C)Getty Images
女子テニスのダブルス元世界1位のペン・シューアイ(中国/35歳)が、中国前副首相による性的暴行をSNSで告発後、行方不明となっている問題で新たな動きが出た。

11月17日に中国国営放送『CGTN』が、ペンがWTA(女子テニス協会)のスティーブ・サイモン会長らに送ったとされるメールのスクリーンショットを公式ツイッターに投稿したのである。

メールには「今回の告発は真実でなかった」と記され、行方不明説も「今は自宅で休んでいてなにも問題はない」と否定された。だが、サイモン会長らは公表されたメールに疑念を抱いている。

「私たちが受け取ったメールはペンが書いたものとは思えないし、内容に関しても真実とは思えない」と述べたサイモン会長は、「私は何度も彼女に連絡をとろうとしたが無駄だった。WTAをはじめとする世界中の人々は、彼女が安全であるという独立した検証可能な証拠を必要としている」とコメントした。
米メディア『CNN』によれば、ペンのメールを公表した中国国営放送『CGTN』は、海外の世論を動かうために中国共産党が活用するプロパガンダツールのひとつで、反政府的な香港の書店員や在香港英国領事館の職員による強制的な告白を放送し、英国のメディア規制機関である『Ofcom』から何度も制裁を受けてきた過去を持つ。それだけにWTA側もペンが記したとされるメールをフィルターなしで信じるわけにはいかないようだ。

なお、本件に関するニュースが中国国内で報道されたことは一度もなく、ペンが告発に利用したSNS(ウェイボー)のアカウントは削除されたままだ。17日に開かれた中国外務省の定例会見では、ペンに関する質問に対しては「知らない」と一蹴されている。果たしてペンは無事に暮らしているのだろうか。

ペン・シューアイ(Shuai Peng)
1986年1月8日生まれ。中国・湖南省出身。身長177センチ。右利き/左右両手打ち。8歳でテニスをはじめ、2000年から国内大会に出場。15歳で国別対抗戦の代表に選出された。四大大会デビューは2004年のウインブルドン。ダブルスが得意で2015年ウインブルドンと2014年全仏オープンの女子ダブルスで優勝、17年の全豪オープンでは準優勝した。ダブルスの通算獲得タイトルは23個で、2014年2月17日にダブルス世界1位を記録した。2020年2月のカタール・オープンに出場して以降ツアーから姿を消してている。2021年11月15日付/シングルス306位、ダブルス192位。

構成●スマッシュ編集部

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