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南野拓実は「今冬の放出の可能性は低い」――海外メディアが苦しむ日本代表戦士にサラーらの“穴埋め”に期待

アフリカネーションズ・カップで離脱するサラー(11番)やマネ(左)の穴埋め役として、南野にかかる期待は小さくない。(C)Getty Images
現地時間12月28日、プレミアリーグ第20節でレスターと対戦したリバプールは、0-1で8試合ぶりの敗北を喫した。
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22日のカラバオ・カップ準々決勝でPK戦の末に下した相手との再戦であり、アウェーマッチとはいえ、優勢が予想されていた(ベッティングサイト『888Sport』ではレスターの50/1に対して6/1とオッズでも大きな差がつけられたほど)。しかし、結果的にリベンジを許す形となってしまった。

カラバオ杯といえば、南野拓実のアシストや後半アディショナルタイムでの劇的な同点ゴール、そしてPK戦での失敗なども含めて良い意味でも悪い意味でも存在感を存分に示したのが記憶に新しいが、今回はベンチ外に。クラブは試合前に、彼とチアゴ・アルカンタラが軽度の筋肉痛によって欠場すると明かしていた。

何はともあれ、リバプールの2021年の全日程が終了。南野は今季ここまでにチームの公式戦全28試合中の13試合に出場。プレー時間は525分間で、プレミアリーグ(20節終了)に限れば6試合(40分間!)に止まっている。
カラバオ杯では全3試合にフル出場して通算4得点、いずれの試合でも結果に直結するゴールを挙げるなどの大貢献ぶりを示しているものの、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタの「ビッグ4」の壁は依然として高く、分厚いままだ。

そんな南野に対して、地元メディアは手厳しい。リバプールの専門メディア『LIVERPOOL.COM』は、1ゴール、1アシストを記録したカラバオ杯レスターのパフォーマンスについて、PK戦で決めればヒーローとなれるところでクロスバーを叩くなどパフォーマンスが安定しない点や、デュエルの勝率29%、空中戦は全敗、ドリブルも6回のうち成功したのがわずか1回というフィジカル面の弱さを指摘した。

そのうえで、「1試合平均1.66得点という貢献ぶりが、彼の全体像を表わしているわけではない」と断じている。

「この日本人選手は、多くの時間帯で試合のなかに存在していない。得点記録は印象的だが、レスター戦は彼が信用できないことを示した。リバプールは、散発的に輝きを放つのではなく、一貫したパフォーマンスを発揮し、定期的かつ継続的に試合に影響を与える選手を見つける必要がある」 しかし、南野に対しては大きな期待を寄せるメディアもある。それは言うまでもなく、来月5日から1か月間にわたって開催される予定のアフリカネーションズ・カップ(AFCON)にサラー、マネ、ナビ・ケイタらが出場した場合、彼らの穴を埋める存在としてのものだ。

英サッカー専門メディア『Live Score』が「ミナミノには、チームの中心、裏方としてプレーできる多様性があり、またボールを持たないところでの疲れ知らずの運動量も、彼の出場を確実なものとする」と賛辞を贈る。さらにリバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、「誰もがサラー、マネを恋しく思うだろう」と、2人の離脱が明らかなダメージとなると強調しながらも、彼らが1月2日のプレミアリーグ第21節チェルシー戦を最後にカメルーンに向かった後は、過去8試合で7ゴールを挙げるなど絶好調のジョッタを“主人公”として、南野を貴重な戦力のひとりとして数えた。

「ミナミノ、ディボック・オリギ、アレックス・オクスレイド=チェンバレンら、チャンスを得た選手は誰もが仕事を果たす必要がある」
賛否が分かれる南野については、米国の大手ビジネス誌『Forbes』も見解を示す。同メディアはクラブの財政面の見地から、コロナ禍によって経済面で大ダメージを負った昨季に比べて収入が上がった点を指摘する。

さらに、ふたたび積極的な補強があり得るとしながら、「大物選手を獲得するための資金調達のために、ミナミノらバックアッパーを売却するべき」という多くのメディアの主張に対しては、「シーズン終盤の重要な場面で、(チームでの)経験の少ない選手よりも既存の戦力を起用する方が得策という考えのもとで、今冬の放出の可能性は低い」と予想した。

ちなみに同メディアは、夏の移籍市場においては、一転して積極的な戦力補強とともに、不要な戦力が一気に放出がされると見ている。AFCONの期間中、リバプールはプレミアリーグ2試合、FAカップ1試合、カラバオ杯2試合を戦う予定だが、ここで南野は周囲を納得させる働きを見せ、チームにとって不可欠な存在という人々に印象を植えづけることができるか。

構成●THE DIGEST編集部

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