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三浦技研の会長・社長が驚く、笹生優花の【ソール感知能力】。『TC-101』はタイの新星A・ティティクルも使用

今年の開幕前に、三浦勝弘会長自ら、笹生の『TC-101』をグラインドしていました

最年少のタイ記録で「全米女子オープン」覇者となった、笹生優花。狭いフェアウェイかつ深いラフに出場選手が苦しむ中、ジュニア時代から海外のコース経験豊富な笹生は高い適応力を発揮。ラフからでも切れ味鋭いアイアンショットでコースを攻略することに成功した。

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契約する三浦技研に、笹生が使用する『TC-101』アイアンについて聞くと、“神の手”と呼ばれる研磨職人・三浦勝弘会長、信栄社長の興味深いフィッティングエピソードを教えてくれた。話は今年の開幕前に遡る。

■海外育ち・スイングの完成度で高いソール感知

「開幕前にアイアンが少し左に飛ぶということで、会長と社長自らフィッティングをしたのですが、笹生選手の探究心と感知能力の凄さに驚く結果となりました。会長も社長も男女ツアープロのフィッティング経験が豊富ですから、笹生選手のパワーにそんなに驚いたわけじゃない。【手元がかなり低く入ってきて、ダウンブローが強い】という女子選手にはほとんどない特長を持った上での【ソールの感知能力】ですね。

この若さで、これだけソールコンタクトに鋭い感性があるのは、強い選手の証拠。0.1mm以下レベルのソールの研磨ですら、違いを的確に感知します。それほど、スイングの完成度が高いということ。この歳でここまで探究心を持ってギアの調整全てに何故?何故?と追求するのも珍しいケースです。会長にも社長にも、おそらくジャンボ尾崎さんにも、まったく臆することなく、純粋な探究心・好奇心で【より良くしたい】を素直に聞きます」(同社・寺村氏)

ソール感知能力の高さは、会長や社長の経験則から「日本の簡単な芝で育ったからではなく、海外の難しいコースで育ったからこそ、硬い地面や粘るラフなどで、厳しいソールコンタクトの感覚が養われたはず」と言う。そして、「強い海外男子トップ選手が持つ感性に近いもの」をこの歳で備えていることに驚いたのだとか。

■笹生の『TC-101』はヒール側を研磨

笹生は昨年から『TC-101』アイアンの標準より2.5°ライ角をフラットに調整したものを使用していたが、会長自らフィッティング時にさらにヒール側にグラインドを加えたと言う。(ロフト角、ヘッド重量はカタログ通り)

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「ライ角は標準より2.5°フラットですが、それでも笹生選手はヒール側から入れてくるスイング的な特長があります。そして、アドレスでヒールを接地させて構えますし、そこが当たって左に飛ぶ傾向がありました。会長の経験則から、ヒール側のリーディング、トレーリング、両サイドを削り落として狭くしています。加えて、ソール真ん中のセンターバンスの頂点も少し落としました。

その時点で【手の衝撃が全くない!】と、抜けが良くなり、引っかけなくなったことを喜んでいましたが、加えて後日、PWだけ少し引っかかるということで、トレーリング全体を会長がひとなめ削りました。通常、選手が気づかないレベルの削りでも【すごい良くなった!】と、0.1mm以下の違いを的確に感知してました。会長も社長も、感知能力だけじゃなく、この若さでのショットバリエーションの豊富さにも驚いていました」(同)

■タイの新星、ティティクルは『TC-101』の海外版

ところで、LPGAツアーにとって笹生優花が「フィリピンの新星」なら、14歳で「欧州女子タイ選手権」で優勝、20年1月に16歳でプロ転向したアタヤ・ティティクルもタイの超新星と言えるだろうか。先月の「ホンダLPGA」で21アンダーの2位に入ったことも記憶に新しいが、実は笹生とティティクルは同型のアイアンを使用していると言う。

「ティティクル選手は、笹生選手と同型のヘッドを使用しています。アメリカではMIURAのマークがトゥ側に入り『TC-201』というモデル名ですが、笹生選手と同型の『TC-101』です。彼女はアメリカの三浦がサポートしている選手なので、こちらにあまり情報がありませんが、ボールストライカーの若手選手の活躍に貢献できるのは有り難い限りです」(同)

ちなみに、笹生が同社のアイアンを使用するきっかけは、笹生の父・正和さんの知人が会長と懇意だったことから紹介されたとか。そこで、笹生サイドが「使ってみたい」となり使用し始めた2020年3月から、トントン拍子に契約まで話が進んだそう。生粋のボールストライカーだからこそ、同社の職人技を嗅ぎ取れたのか。同じ職人同士、高次元な言外の“対話”は、かなりうまく進んでいるようだ。

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