「去年の決勝カードが予選で実現」「史上初の海外勢優勝もあり得る」リーグ広報が語る「3x3.EXE PREMIER 2025 PLAYOFFS」見どころ【前編】

 

「今日から3x3(スリーエックススリー)の記事担当ね」

このセリフを言われて早半年。

一本目に書いたこちらの記事の取材が非常に楽しく、「これから3x3の取材やったるで!」と私は意気込んていました。

>>3人制と5人制、まるで別競技!? バスケの常識が覆る「3x3」の世界【新人編集部員と学ぶ3x3 前編】

が、当メディアはバスケ以外のスポーツも取り扱っていることもあり、他のスポーツの仕事に忙殺されて、3x3の記事を書く機会はないまま時間だけが過ぎる日々。

しかし、3x3への熱は消えていません。

「また絶対取材するぞ!」という気持ちを胸に秘めつつ、何気なく3x3.EXE PREMIERの公式サイトを見ていると衝撃の事実に気が付きました。

「え、来週プレーオフなの!?」

いつの間に。時の流れ早い。

「これは何があっても取材せねば!!」

ということで、今回もリーグ広報である小林亘さんに「3x3.EXE PREMIER 2025 PLAYOFFS」の魅力をお伺いしました。

 

予備予選も見逃し厳禁!

── まず、今回のプレーオフの全体的な流れを教えてください。

小林:今回のプレーオフは男子16チームが出場するのですが、4チームが4つの予選ブロックに分かれています。そして、それぞれのブロック1位の計4チームが決勝トーナメントに進んで、準決勝・決勝を行います。

写真:トーナメント表/提供:3x3.EXE PREMIER

写真:男子プレーオフ組み合わせ表/提供:3x3.EXE PREMIER

ただし、16チームの4ブロックには実は2つの空きがあるんです。この2つの空きを争うための予備予選トーナメントが、27日の10時から12時に行われます。この予備予選トーナメントに出場できるのは8チームなので、厳密に言うと男子は22チームが出場できる形です。

── 予備予選もあるんですね! 予備予選の注目カードを教えてください。

小林:第1試合のEPIC.EXE(エピック エグゼ)対HOKUSO RHINOS.EXE(北総ライノス エグゼ)ですね。
どちらのチームも日本人しかいないチームなんですが、EPIC.EXEには一色篤という選手、HOKUSO RHINOS.EXEには大野勇哉という選手がいて、2人とも体育教師として働いている側面を持っています。教師対決というカードが実現するのも、3x3らしさを表しているのではないでしょうか(笑)。

チームの総合力も拮抗しているので、いい試合になるんじゃないかと思います。

また、HOKUSO RHINOS.EXEはレギュラーシーズンの成績が15位でギリギリプレーオフに滑り込んできたチームなので、もしも勝ち上がって予選グループに入れたら、最下位からの下克上ドラマが始まるかもしれません。

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── デュアルキャリアの選手が多い3x3ならではですね。個人的には、TOKYO DIME.EXE(東京ダイム エグゼ)が予備予選から出場するのは気になりました。

小林:そうですね。ただ、TOKYO DIME.EXEはリーグ創設の2014年から参入している歴史のあるチームで力はあります。相手のTRYHOOP OKAYAMA.EXE(トライフープ岡山 エグゼ)も外国人選手2人を抱える強いチームですが、いい勝負を見せてくれると思います。

── SHINAGAWA CC WILDCATS.EXE(品川CC ワイルドキャッツ エグゼ)に関してはいかがでしょうか?

小林:SHINAGAWA CC WILDCATS.EXEには伊藤尚人という選手がいるんですが、彼は学年は被っていないのですが八村塁(NBA:ロサンゼルス・レイカーズ)と同じ中学と高校を卒業(富山県の奥田中学、宮城の明成高校)しているんです。名門校出身ということもあり、チームの中では中心的存在として活躍していますね。

ちなみに、5人制日本代表の馬場雄大選手も富山の奥田中出身なのですが、伊藤選手は1つ上の先輩で、馬場選手にドリブルを教えたという逸話を持っているんです(笑)。

 

本戦は予選リーグから激アツのカードが実現!

── 続いて、本戦の見どころも教えてください!

小林:注目はなんと言ってもAグループですね。オープニングゲームがSHINAGAWA CITY.EXE(品川シティ エグゼ)対UTSUNOMIYA BREX.EXE(宇都宮ブレックス エグゼ)なんですが、これは去年のプレーオフ決勝のカードなんですよ。

── え、その2チームが予選リーグで当たるんですか!?

小林:はい(笑)。かなり凄いカードです。

UTSUNOMIYA BREX.EXEは今シーズン、チームをガラッと変えました。これまでチームを引っ張ってきた齊藤洋介さんが抜けて、メンバーを刷新しながらもチームのカルチャーは残している状況です。

一方のSHINAGAWA CITY.EXEも力のあるチームなんですが、実は今シーズンのSHINAGAWA CITY.EXEのメンバーは、去年まで存在したALPHAS.EXE(アルファーズ エグゼ)というチームのメンバーがそのまま移籍した形なんです。なので、実態としては今のSHINAGAWA CITY.EXEが去年、一昨年と二連覇をしているわけです。

── そんな裏側があったんですね。

小林:はい。SHINAGAWA CITY.EXEの代表は、東京五輪日本代表の落合知也選手です。もちろんALPHAS.EXEのときも代表をしていました。もしSHINAGAWA CITY.EXEが優勝したら、チームとしては初優勝ですが、実質三連覇みたいな感じになるんです。

── それが予選リーグの1試合目というのは厳しいですね。

小林:本当に厳しいです。レギュレーション上、基本的には3勝0敗でないと決勝トーナメント進出は厳しいので、もしグループ予選1試合目で負けると、残りの2試合が消化試合になってしまうこともあります。単純にSHINAGAWA CITY.EXEとUTSUNOMIYA BREX.EXEのどちらか一方は、グループステージで敗退する可能性が高いので、初戦から目が離せないと思います。

── 他のチームについても教えてください!

写真:出羽崚一選手(ZETHREE ISHIKAWA.EXE)/提供:3x3.EXE PREMIER

写真:出羽崚一選手(ZETHREE ISHIKAWA.EXE)/提供:3x3.EXE PREMIER

小林:BグループのZETHREE ISHIKAWA.EXE(ゼッスリー イシカワ エグゼ)は非常に強いですね。

ZETHREE ISHIKAWA.EXEは今年大型補強を敢行して、日本代表の出羽崚一、去年ALPHAS.EXEで優勝したデビン(アメリカ代表候補)、去年の新人王・スコットを獲得しました。その甲斐あって、シーズン中はほとんど負けなしだったんです。ただ、やはり新チームなので、厳しいときもありました。バスケットはどうしてもチームスポーツなので、個の力が強くてもチーム力に敵わない瞬間ってどうしてもあります。そういった逆境も跳ね返してきましたので、ZETHREE ISHIKAWA.EXEも優勝候補にあげられますね。

── 海外チームの実力はいかがですか?

小林:2019年から海外の加盟国が増えてきているのですが、残念ながらいまだに海外チームが優勝したことはないんです。日本のチームが毎年優勝していて、海外チームは最高でも準優勝やベスト4といったところです。

ただし、今年は状況が違うかもしれません。というのも、海外チームがこれまで勝てなかったのは、毎年同じチーム名でもメンバーが全員違ったり、入れ替わりがあったことが大きいと思っています。3人制バスケは3人の連携が非常に重要になるので、毎年新しい選手で連携を作り直すのは大変なんです。今回出場するオースラリアのBRISBANE 3X3.EXE(ブリスベン 3x3 エグゼ)は、去年と同じメンバーでチームを構成しています。去年のプレーオフでもベスト4に入った強豪チーム。

今年は選手たちも3x3を精力的プレーしており、今年のオーストラリアのリーグでが年間通じてわずか1敗という圧倒的な成績でプレーオフに上がってきました。もはや優勝候補と言えるレベルです。

── それは強敵ですね。

小林:はい。オーストラリアはそもそもバスケが強い国で、国内にNBLというプロリーグがあります。今回のメンバーは皆NBLのプロ選手。元々の能力が高いうえに、今年は3x3に注力して連携もカバーしてきているので、かなり手強いと思います。

 

 

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