いま、シニアは泳ぐ。量販店スイムウェア売り場から見えてきた新トレンド

かつて水中ウォーキングをしていたシニアは、いま泳いでいる。

今回は、総合スポーツ量販店で17年以上にわたってスイムウェアの接客を担当してきた松尾さんに、売り場で感じる“変化”と“選ばれている水着”について話を聞いた。


▶その水着、本当に合ってる?失敗しない選び方のポイント

オールインワンタイプが主流に

── 15年以上、スポーツ量販店で水着売り場を担当してきて、最近のお客さんの変化って何か感じますか。

松尾:この10年くらいですが、歩く方より泳ぐ方が増えてきたなと感じます。

というのが、私の担当する店舗では、かつては水着売り場に来られる方の8割くらいが、水中ウォーキング目的の方でした。

いまは半々くらいですね。それに伴い、かつてはあまり売れなかった、泳ぎやすいオールインワンタイプの水着は主流のひとつになっています。

写真:arena AQUA EXA/提供:SUPER SPORTS XEBIO

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── それはなぜなんでしょうか。

松尾:今も昔も、特にシニアの方が水泳を始めるきっかけは“病院の先生に勧められたから”が多いと思います。

水中を歩いていると、隣を気持ちよさそうに泳いでいる方がいて、私もせっかく毎日行くんだったら泳ぎたいという気持ちになった、という話はお客様からよく聞きます。

── 水中を歩ける人は、実は泳げるということなんですかね。

松尾:浮力があるので、身体に負担は少ないですよね。心肺能も高められますし、筋力アップにも繋がります。

あと、タイムを切りたい競泳とは違って、健康のためであっても、楽しく日々を送るために、という意識の方が増えてきている気がします。特にコロナ禍が終わってから、この1,2年で戻ってきたお客さんの雰囲気に感じます。

── わかる気がします。

松尾:せっかく毎日通うんだから、泳げたほうが楽しい。他の人に褒められる水着のほうが嬉しい、ということだと思います。

毎日続けられる方も多いので、より快適な方向に変化していきますよね。

水中ウォーキングの方なら、より歩きやすいようにシューズを履いてみようとか。泳ぐ方も、次はラインが入っているものを、とか、もう少し泳ぎやすいものを、など、そのときのご自身の目的に合わせて選ぶものも変化していきます。

ウォーキング目的でセパレート水着を買いに来たお客さんが、上下繋がっているものに変わり、デザイン性もあるタイプに、と進化していく水着を一緒に選ぶのは私も楽しいです。

写真:arena AQUA EXA 「WATER ILLUSION」 デザイン/提供:SUPER SPORTS XEBIO

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お客さんは健康志向のシニアが8割

── 量販店の水着売り場に来るお客さんはどんな層なんでしょう。

松尾:健康志向のシニアの方が8割くらいですね。

残りは、スイミングスクールで水泳習っているお子さんや学生さんが、大会前に競泳用水着を買いに来られる練習用水着や練習用水着を買いに来られたり、今のシーズンは、アウトドアプールのレジャー用水着を求めていらっしゃるお客さんも増えますね。

── そんなに健康志向シニアの方のニーズが多いんですね。

松尾:私が担当しているのが地方のスポーツ量販店だからということもあると思います。

インバウンド客の購入する水着は

── ところで、インバウンドのお客さんの買う商品の傾向に特徴はありますか。

松尾:確かに違いますね。男性用の短い練習水着の柄物を買っていく海外の方が多いです。“メイドインジャパン”のゴーグルも人気ありますね。品質もそうですが、日本製は鼻の部分やゴムなど、細かい部分が調整可能であることも理由だと思います。

写真:arena TOUGHSUIT/提供:SUPER SPORTS XEBIO

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あとは、アリーナさんが出しているディズニーの水着や小物を楽しく買っていかれる印象です。

写真:arena TOUGHSUIT/提供:SUPER SPORTS XEBIO

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売り場を担当する嬉しさとは

── 15年以上、水着売り場でいろんなお客さんと接してきて、嬉しかったのはどんなときですか。

松尾:水着は試着もあってお客様といっしょに選ぶという意識があるので、それぞれのお客様の成果が出ると嬉しいんです。

競泳をやっている子が「タイムが出たよ、ありがとう」って報告に来てくれたり、シニアの女性のお客様が「選んでくれた水着、周りのお友だちに褒められたわ」と、また来店してくださったり、それが嬉しくて続けているところもあります。

お客様と一緒に選んで、それぞれのお客さんの成果に繋がるのはいいなと思います。


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