
「FEET AXIS(フィートアクシス)」、見たことはあった。
近所の縁もあり、スーパースポーツゼビオ東京御茶ノ水本店には、月イチくらいで立ち寄る私だ。
ただ、試したことはなかった。
売り場のナビゲーター(店員)無しでは筐体に触れないし、そもそもナビゲーターと会話できそうなら「こんなシューズを探してるんですけど」と聞いてしまうからだ。
では、何のために、見るからにこの高性能な機械があるのか。

写真:存在感のある「FEET AXIS」/撮影:SSN編集部
第7世代にまで進化した次世代型足型測定サービス「FEET AXIS」は、現在、全国のゼビオグループで542台がアクティブに機能しているという。
今回、「FEET AXIS」担当のスタッフに話を聞きながら試してみて、わかった。
これは、ナビゲーターとの会話の入口に最適なマシンなのだ。

写真:ついに計測台に乗る日/撮影:SSN編集部
①会員証バーコードをかざす
簡単に使い方を説明していこう。
まずは、ゼビオのスポーツポイントの会員証バーコードをかざす。会員になってない人は無料なので、わずかな手間なのでこの機に登録してほしい。
なぜなら、今回計測した自分の3D足型情報が、今後もマイページでずっと確認できるからだ。


写真:意外にコツが必要だったバーコード読み取り/撮影:SSN編集部


写真:モニターに情報を入力/撮影:SSN編集部
②計測台に乗る
登録が終われば、さっそく計測台に乗る。ズボンの裾を上げて靴下を引っ張って伸ばすとより正確に計測できるらしい(私は張り切って短パン、五本指ソックスで臨んだので関係なかった)。


写真:計測台に乗っていた足型模型、普段見ないオブジェ/撮影:SSN編集部


写真:計測中/撮影:SSN編集部
すぐに結果が表示された。
自分の足型を公開するのは恥じらいも感じるが、“左右の長さ、完全に同じなのはめずらしいですね”というスタッフの褒め言葉に気を良くしたので、全世界に公開する。

写真:いつでも確認できる自分の足型/撮影:SSN編集部


写真:左右の甲の高さは結構違った/撮影:SSN編集部
③着地方法を計測
競技カテゴリを選んだあと、自分の着地方法を計測するため、徒歩かジョギングかでプレートを踏む。
“左右それぞれ3回ずつどうぞ”という指示を受け、ジョグの途中でプレートの狙った部分に着地する。微妙に緊張する。


写真:クリボーを踏むマリオの気持ち/撮影:SSN編集部
すると、自分の左右の着地が、衝撃をヒートマップにして動画で表示された。


写真:踵の外側から着地傾向。確かにいつもソール踵外側からダメになる/撮影:SSN編集部
自分の着地の傾向を知るのは貴重な情報だが、走り方を直せるわけではないので、あとはシューズかインソールになんとかしてもらいたい気持ちだ。
④質問に回答、レコメンドが出た
トレーニングシューズか競技用か、1回のランニング時間、どのような場所を走るか、など幾つかの質問に答える。


写真:アルゴリズムが知りたい/撮影:SSN編集部
すると、お薦めのシューズが表示された。


写真:“エクセレントFIT98%”/撮影:SSN編集部
私が現在ランニングで履くHOKAブランドが表示されたのは、やはり私自身が足型を把握していたということか。


写真:いま履いているHOKAの別商品が進められた/撮影:SSN編集部
サイズは好みがあるので参考程度に
しかし、FITサイズが28という表記に動揺を隠せない。え、いま、HOKAの別商品のサイズ27でランニングしてるんですが。


写真:FITサイズが28...?/撮影:SSN編集部
担当スタッフの方に尋ねると「サイズは人によって好みがあるので、参考情報としてナビゲーターと会話しながら試し履きを」と笑顔で言われて、確かに、キツめ、ゆったりなどは個人の好みの幅が広いよなあと思った。
“シューズ・セレンディピティ”
5種類もお薦めされると、とりあえずどれも試してみたくなる。
“どんな違いがあるんですか”と、ナビゲーターとも会話が弾み、本当はただソールが摩耗してきたので同じ製品でも買おうかなと思っていたのに、“自分がランニングシューズに求めるものは何なのか、譲れない条件は何か”と、求道者のような気分になる。
実際、今回の私の場合、Salomonのシューズは、レコメンドされないと履いてみることはなかった気がするし、その意味では、なんとなくイメージで狭めていた選択肢を、いったん入口で広げてくれる効果がある。
そう、“シューズ・セレンディピティ”だ。


写真:次回はインソールにも出会いたい/撮影:SSN編集部
シューズ選択の自由
私たちは、SNSのアルゴリズムにより、自分の過去の興味・関心に沿った世界観を生きている。
「FEET AXIS」は、自分の正確な3D足型情報と圧倒的な数の統計データから、思いも寄らないシューズを提案してくれる。
そして、店舗ではそれもナビゲーターとの会話の入口に過ぎず、私たちはその丁寧なレコメンドを横に置いて、来店前に考えていたシューズを買う自由もある。
欲を言えば、こちらの足型はじめ各データから、なぜこのシューズを薦めるに至ったのか、その理由も記載してくれると、さらに商品やブランド理解も進む気がした。
各店舗在庫と連携しているとのことで、レコメンドされるサイズと商品は、基本的にすべて試し履きと購入ができるところに、裏側の企業努力を思った。


写真:「FEET AXIS」/撮影:SSN編集部
納得感を持って購入する
足型や着地傾向という確実な個人データを活かし、ユーザーが納得感を持って選ぶための起点にする。一度試してみると「FEET AXIS」は思ったよりもずっと扱いやすく、今度はランニング直後に来てみようと思った。
EC全盛の時代に、店頭もまた進化を続けている。
確かなことは、いつの時代も足元は嘘をつかないということだ。
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